上写真=3連勝でシーズンを締めくくり、清水は残留を決めた(写真◎J.LEAGUE)
清水と湘南は勝ち点を積む
今季は17位から20位の4チームがJ2に降格するレギュレーションで、最終節(38節)を前にすでに18位大分トリニータ、19位ベガルタ仙台、20位横浜FCのJ2降格が決定していた。降格するのは残り1チーム。可能性があるのは、前節終了時点で勝ち点36の17位・徳島、同じく勝ち点36で16位の湘南、勝ち点39の15位清水だった。
17位徳島と16位湘南は勝ち点で並ぶものの、得失点差は徳島が「-19」なのに対し、湘南は「-5」。湘南からすれば最終節で勝利を収めれば、勝ち点で徳島に並ばれても得失点差で逆転されるとは考えにくい状況と言えた。
そして清水は勝ち点で2チームに対し3ポイントまさっており、最終節で引き分け以上(勝ち点1以上)の結果を手にすれば残留が決まる。ただし、得失点差が「-18」であるため、徳島が仮に最終節で勝利し、清水が敗れた場合には得失点差で逆転されてしまう可能性もあった。徳島にも他力ではあるものの、状況次第で十分に残留の可能性がある状況で、最終節を迎えていたわけだ。
最終節のカードは、清水対セレッソ大阪、ガンバ大阪対湘南、徳島対サンフレッチェ広島。14時に一斉にキックオフされた試合は、いずれも気持ちのこもった熱戦が繰り広げられた。
徳島はホームで力を発揮できなかった。前半のうちに広島に0-3とリードされ、苦しい状況に立たされる。後半開始早々に岸本武流の得点でペースを握り返したが、さらに失点して1-4と突き放された。それでも残り10分のところで一美和成が決めて2点差に詰め寄る。だが、最後の望みをかけた総攻撃も実らず2-4で試合を終えることになった。
ホームにC大阪を迎えた清水は、先制点を与える苦しい試合展開となった。今季限りの現役引退を発表している大久保嘉人のクロスが竹内涼に当たってオウンゴールとなり、0-1。嫌なムードが漂ったが、前半のうちに追いついてみせる。アディショナルタイムに得たFKの場面。西澤健太が上げたボールに鈴木義宜が右足を合わせた。さらに前半終了間際に追いつき勢いを得た清水は後半早々にもゴールを生む。同点弾をアシストした西澤がミドルシュートを決めて逆転に成功。そのまま2-1で勝ち切った。
湘南は、勝利を目指して序盤から積極的な姿勢を見せ、大橋祐紀が決定機を生むが、GK東口順昭の好セーブに遭って決め切れず。後半も選手を交代させながら前のめりな姿勢のまま戦いを続けたが、G大阪の守備陣を崩すことはできず。しかし、スコアレスドローで試合を終え、勝ち点1を手にした。
この結果、清水は勝ち点を42に伸ばし、大分に敗れた柏をかわし、14位に浮上。残留を決めた。湘南は引き分けで1ポイントを積み上げて勝ち点37とし、16位でJ1残留。そして徳島は勝ち点を手にすることができず、36ポイントで17位に留まり、J2降格が決定した。
新型コロナウイルスの影響でダニエル・ポヤトス監督の来日が遅れるなど、難しいシーズンのスタートとなった徳島は中盤以降、チーム力を高めていったが、一歩及ばず。そしてシーズン途中に監督交代があった清水、湘南は最後まで苦しみながらも残留を果たすことになった。