明治安田生命J1リーグは12月4日で今季を終える。すでに連覇を決めている川崎フロンターレは、2位の横浜F・マリノスとアウェーで戦う。得点王争いで22ゴールで並ぶレアンドロ・ダミアンと前田大然の両エースが直接対決する見どころもあり、鬼木達監督も改めて最後の最後まで「強気」を貫くのだ。

上写真=横浜FMとは開幕戦で戦って勝利。鬼木達監督は「最近になってとても大きな勝利だったと改めて思う」。最終節でその再現を狙う(写真◎J.LEAGUE)

得点王争いは「お互いにとってしびれるゲームになる」

 いまの川崎フロンターレの強さは、横浜F・マリノスに源流があると言えるかもしれない。2017年にJ1初制覇、18年に連覇を果たし、3連覇を狙った19年に横浜FMに優勝をさらわれた。強さを見せつけられて鬼木達監督が踏み切ったのは、4-3-3システムへの変更だった。それが実を結んで20年に栄冠を取り戻し、21年も連覇を決めた。

 その横浜FMと最終戦で戦うのだ。

「強度だけで言ったらマリノスのほうが強いかもしれません。そういうものを見せられたからこそ、自分たちも成長できているという思いもあるので、強度のところにこだわっていきたい」

 今季は消化試合数の違いも関係したが、一時は1ポイント差まで迫られた相手だ。最後は突き放すことができたが、同じ攻撃サッカーを標榜するチームへのリスペクトと、負けられないプライドが、鬼木監督のハートに火をつける。

「順位は決まっていますけど、1位と2位の対戦だということは意識しますし、2位の相手にしっかり勝っていかないと、優勝したけど本当にしたのかなという気持ちになるかもしれません。だから、勝って終わらなければいけないゲームだと思います。マリノスもそういう思いだと思いますから、プライドをかけて戦うゲームになります。うちにとっては難しいゲームになるので、強気で戦いたいと思っています」

 思えば2021年シーズンは「強気」がキーフレーズになった。相手の強みに十分に敬意を払った上で、そこにリアクションしていくのではなく、自分たちの望む戦いをやりきって凌駕していく。それが難しい勝負どころでこそ、「強気」という言葉を強調してきた。だから改めて、今季のリーグ戦を強気で締めくくらなくてどうする、の思いだ。

 どちらも確固たるスタイルがあり、攻撃を楽しむ戦いを挑むからこそ、日本の未来を占う一戦だと言ってもいいだろう。これぞ日本のトップスタンダード、という場所を示す90分にしたい。

「そういう思いはありますね。自分たちのサッカーで日本サッカーを引っ張りたい。マリノスのサッカーを見て、素晴らしいと思わせるチームなので、しっかりやり合うというのが自分たちが見せるべき姿だと思います。サッカーを初めて見た人でも、このゲームは面白いと思ってもらいたいし、そういう内容で勝ちたいですね」

 22ゴールで並ぶレアンドロ・ダミアンと前田大然の得点王争い直接対決もある。

「お互いにとってしびれるゲームになるだろうし、勝負にこだわりつつ、それぞれに取らせてあげたいという戦いになるだろうから、楽しみです」

 鬼木監督も最高峰のゴールバトルに興味津々だ。


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