上写真=リカルド・ロドリゲス監督はルヴァンカップで川崎Fを下してこの笑顔。今回の対戦で川崎Fの優勝がかかるが「自分たちの成功を望んでプレーするので、ほかの人の不幸は望んでいません」(写真◎J.LEAGUE)
「自分たちがどこにいるのかを把握するために」
浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督は、11月3日のJ1第34節で対戦する川崎フロンターレを、同じく攻撃的でアトラクティブなフットボールを展開する仲間として、大いにリスペクトする。
「彼らが1位にいるのは偶然ではないと思っています。夏はケガ人が出たり、ルヴァンカップで対戦して私たちのほうがコマを進められましたが、またレベルを取り戻しています。良いサッカーをプレーするチームなので挑戦者として挑みたい」
良いサッカー、という点では、浦和も負けてはいない。直近の柏レイソル戦では組み立てからフィニッシュまで美しいゴールが次々に決まって、5-1で大勝している。その前のガンバ大阪戦では圧倒的に攻めながら決めきれずにドローで終わっていたが、すぐに修正してゴールラッシュだ。
「良いビルドアップがなければ、フィニッシュに行くことができません。相手のペナルティーエリアまで行くことができていますが、タイミングやポジショニングがずれたりすることが、例えばリーグのガンバ戦では見られました。柏戦で良くなりましたが、すべての面でできる完全なチームとして戦いたいと思っています」
1失点したものの、柏戦のパフォーマンスが「完全体」の一つだとすれば、その勢いを川崎Fにぶつけていきたい。どちらも攻撃的な志向を押し出して戦うチームで、現在の日本において最高に楽しいスタイルを追い求めているチーム同士の対戦は、想像するだけで胸が躍る。
しかも、物語もある。3月のホームゲームでは0-5で大敗。しかし、ルヴァンカップ準々決勝ではホームの1-1からアウェーでは江坂任が先制したあと逆転され、1-3までリードを許しながら、キャスパー・ユンカーが追撃のゴールを決めると、アディショナルタイム4分には交代直後の槙野智章が逆転突破の同点ゴールを決めてみせた。浦和がリーグでの、川崎Fがルヴァンカップでのそれぞれのリベンジを狙うし、なによりこの試合には川崎Fのリーグ優勝がかかっているのだ。浦和もAFCチャンピオンズリーグ出場権が手に入る3位以内のためには負けるわけにいかない。
「どちらがボールを握るかが大事になると思います。それだけではなく、しっかりプレスをかけて相手のいいプレーを出させないことも大事です。守備ではプレスをかけ、ボールを持ったら自分たちのサッカーをして、セットプレーも大事にしながら、すべての面でいいプレーが要求される試合になります」
浦和にとっては2022年の、そしてその先の道標になるようなビッグゲームだ。
「簡単ではないものの、ACLを狙うなら、そして中期的に優勝を狙うなら、このような試合で結果を残すことに挑戦しなければなりません」
「フロンターレと戦うことによって、来年に優勝を狙うならば自分たちがどこにいるのかを把握するためにいい試合になります。ほぼフルメンバー同士の試合になるでしょうから、全力で行きたい」
だから、改めて誓うのだ。攻めて、守って、勝利をもぎ取る。
「川崎もこちらのビルドアップにプレスをかけてくることはあると思います。どちらもボールを保持しようとしてハイプレスをかけるチームです。やり方は違いますが、同じ目的を持つチーム同士ですので、どちらがボールを持てるかが大事になります。プレスもビルドアップも大事にしたい。でも、最後に試合を決めるのはペナルティーエリアの中です。守備の時間には相手に決めさせない、自分たちが持ったらしっかりとチャンス作って決める。パーフェクトゲームをプレーしなければいけない試合になると思います」
日本最高峰のハイレベルな90分間が約束されたようなものだ。