上写真=タイトル獲得に向けて強い決意を語った中谷進之介(写真◎J.LEAGUE)
ここまで来れたのはチームとしての力
「勝つしかないです、本当に。ACLと天皇杯、2つの大会で負けてしまったので、タイトルがかかる試合はルヴァンカップしかない。そういう意味でも僕たちは強い思いを懸けているし、タイトルというのものは名古屋にとってすごく意味のあるものだと思うから。本当に勝って優勝したいと思います」
2週間前まで名古屋は3つのカップ戦でタイトルを争う権利を持った唯一のチームだった。しかし、ACLの準々決勝で敗れ、天皇杯も準々決勝で敗退。状況は一変した。中谷の言う通り、ルヴァンカップだけがタイトル獲得の可能性のある大会になった。
それだけに「勝つしかない」。思いの強さは、相手に勝るとも劣らない。厳しい日程をこなす中でも、二つのカップ戦で敗れることになっても、顔を上げて前に進んできた。
「(加入)4シーズン目でここまで来れたのは皆さんのおかげだと思っています。選手だけでなく、現場だけではなく、チームとしての力だと思います。名古屋グランパス全体としての取り組みが(今年は)すごく出たと思う」
積み重ねた努力の証として、タイトルを獲ってしかるべき。そんな思いも、中谷にはあるのかもしれない。
丸山祐市が負傷で離脱して以降はキャプテンも務めてきた。「丸山選手がずっと背負ってきたものがあって、僕が途中から任せてもらっています。だからチームを背負うというか、チームを引っ張る気持ちはすごく強いものがあります。キャプテンとしてファイナルに向かうことはなかなかできないことなので、すごく感慨深い」。CBコンビを組んできた丸山の分まで、との覚悟もあるだろう。
「2018年に僕が(名古屋に)来たとき、たくさんの観客が入ったことを今でも覚えています。そういう方たちのためにもというか、いろいろな取り組みをしてくれていた人たちのためにも、それが報われるような戦いに明日はしたい。新しく入ってきたファミリーの皆さん、10年や何年も前から応援してくださっている皆さんのためにも、勝ちたいと思っています」
明日の決勝は、2021シーズンを前を向いて走り続けてきた名古屋にとって、言わば集大成となる戦いだ。中谷は仲間、そしてグランパスファミリーとともにカップを掲げるために、ピッチに立つ。