上写真=長友佑都はFC東京でプレーしてコンディションも上がりつつある。日本でプレーして移動が減ることが大きいという(写真提供◎FC東京)
「非常に難しい試合になると思っています」
ワールドカップ最終予選を戦う日本代表に、長友佑都が選ばれた。Jリーグのクラブに所属して選ばれるのは、実に11年ぶり。
「アジアでの戦いでホームでの試合もあり、そのあとの移動もないので負担は全然違いますね」
これは実に大きい変化だ。ヨーロッパから移動して試合をこなし、終わってからまたヨーロッパに戻るというのは、やはり負担が大きかった。今回は10月2日に川崎フロンターレと戦ってから、サウジアラビアのジェッダに飛び、7日に試合を行うスケジュール。
「ヨーロッパにいるときから慣れていますからね。ヨーロッパで試合をやってから移動して戦っていたから。むしろ移動を考えると全然負担は違います。アウェーゲームに行くときは移動があるけれど、それは欧州の選手も一緒で、日本でやったあとはそのまま残れるわけで時差も移動もない。ヨーロッパの選手は移動してそこからまた試合をやるわけで、もっと激しい移動と試合を続けてきたから、そこは慣れています」
サウジアラビアは5万人程度のスタジアムに60%ほどの観客が入って試合を行うことになりそうで、およそ3万人と想定される。完全アウェーだ。スタジアムの「キング・アブドラ・スポーツシティ」では2017年9月にも戦っている。長友はフル出場したが、0-1で敗れた。
「そのときは最終予選で負けていますからね。すごい雰囲気があったし、暑い中で本当に苦しい試合だったから、苦い思い出があります」
今回はサウジアラビアと戦ったあと、日本に戻ってオーストラリアを迎え撃つ。現在のグループの2位と1位のチームとの大一番だ。
「サウジはテクニックが非常にあって、パスワークが優れている。その上、身体能力が高い選手がいて、すごく難しい試合になるなという感覚です。オーストラリアは、フィジカル的にもちろんすごい選手がいて育っている。最近はつなぎの部分や戦術的にもすごくレベルが上がっていて、そこも非常に難しい試合になると思っています」
日本は初戦でオマーンに敗れてまさかの黒星スタート。2戦目の中国には競り勝てたものの、現在4位だ。
「相手も勝ちたいという熱量がすごい中で、本当にすべてをかけて戦ってくるからそれ以上のものを自分たちが持てないと相手に飲まれてしまうなと。特に最終予選では。しっかりと勝利に対する貪欲な姿勢、貪欲な気持ちを持って戦いたいと思います」
貪欲さは長友の代名詞でもある。FC東京に戻ってきて熱い気持ちを全面に出して、チームを変革させた。
「まだ世界一のサイドバックになっていない。ただ、ここ(FC東京)で活躍して来年のワールドカップでも活躍したい。まだまだ目標に届く位置に行けると思うのであきらめずに戦います」
日本復帰のタイミングでそう宣言していた。その言葉をピッチで表現するときが来た。愛するクラブのために戦う日々で、熱はますます高まっている。それを、サウジアラビアとオーストラリアにぶつけるだけだ。