上写真=レアンドロから悪質なファウルを受けた中谷進之介は試合後、率直な思いを口にした(写真◎山口高明)
繰り返される悪質なファウルを止めるために
試合後、オンラインで取材に応じた中谷進之介は左目の目じりのところをガーゼのようなもので覆っていた。何とも痛々しい姿になってしまったのは、試合中にFC東京のレアンドロの右手(腕)が顔に入ったからだ。
問題のシーンは、80分。宮原和也からのバックパスを受け、前線にボールを送ろうとした際に、プレスに来たレアンドロに顔を殴れることになった。
直後にレアンドロは謝るしぐさを見せたものの、VARを経て退場処分となった。無用な行為だったことは誰の目にも明らかで、FC東京の長谷川健太監督も「レッドカードは水を差すというか、やってはいけない行為。そこは試合を終わったあとで彼にも話をしました。反省していましたが、(今回は)2度目ですし、ケガをさせるような行為だったと思うので、再発防止に努め、われわれも反省しないといけない」と試合後に話した。
当事者となった中谷も口調は冷静だったものの、怒りを隠さなかった。「レフェリーがしっかり見てくれましたが、去年から何度もやられているし、それに関しては選手は分かっているので。(僕らは)サッカーをしに来ていて、Jリーグとしてそういうことから選手を守ってほしい。1回目なら仕方ないとなりますけど、去年も3試合出場停止を食らっていて、それで今年ですから。1試合出場停止では物足りないのかなと思います。そこはしっかりとやってほしい」。選手をケガさせるような悪質な行為を無くすためとの思いから、Jリーグに厳しい処分を求めた。
中谷が指摘した通り、レアンドロは昨季もJ1のガンバ大阪戦(第21節)で悪質なファウルで3試合の出場停止と罰金処分を受けている。またその直後に名古屋が対戦した際にも(第27節)、背後から激しくマークにいった稲垣祥の顔にレアンドロの振り上げた左ヒジが当たり、その場に倒れることになった。そのときは故意ではないとレフェリーに判断されたが、中谷が「何度もやられているし、選手は知っている」と話すのは、そうした過去の経緯があったからだ。
選手を危険に晒すレアンドロの行為は決して許されるものではない。好勝負に「水を差す」、極めて残念な行為だった。