2021年8月18日、第101回天皇杯のラウンド16が行なわれた。豊田スタジアムでは名古屋グランパスとヴィッセル神戸が対戦。スコアレスで進んだ試合を決めたのは、名古屋の新FWシュヴィルツォクだった。89分に決勝点をスコア。1-0で勝利をつかんだ名古屋が準々決勝進出を決めた。

上写真=得点を決めたシュヴィルツォクを柿谷が祝福!(写真◎Getty Images)

■2021年8月18日 第101回天皇杯ラウンド16(@豊田スタ/観衆3,453人)
名古屋 1-0 神戸
得点:(名)シュヴィルツォク

・名古屋メンバー:GKランゲラック、DF宮原和也、中谷進之介、木本恭生(69分:藤井陽也)、吉田豊、MF稲垣祥、米本拓司、前田直輝(90分:森下龍矢)、阿部浩之(63分:シュヴィルツォク)、相馬勇紀(63分:マテウス)、FW柿谷曜一朗

・神戸メンバー:GK飯倉大樹、DF酒井高徳、菊池流帆、トーマス・フェルマーレン、初瀬亮、MFセルジ・サンペール、郷家友太、山口蛍、中坂勇哉(85分:ドウグラス)、FW小田裕太郎(57分:井上潮音)、佐々木大樹(63分:田中順也)

2014年以来7年ぶりの準々決勝進出

 ソリッドな守備をベースに戦う名古屋。ボールを保持しつつ、ゴールへのルートを探る神戸。戦前の予想通りの展開で開始から試合は進んだ。前半は0-0。互いに何度かチャンスを得ながらもネットを揺らすことができず、後半へと突入した。

 双方ともに選手を交代させながらも、なかなかスコアを動かすことができず。85分に攻め上がった神戸のCB菊池のミドルシュートがクロスバーを叩くもネットは揺れず。いよいよ延長が頭をよぎり始めた時間帯だった。89分、ついにゴールが生まれる。名古屋が自陣からカウンターを仕掛ける。中央を柿谷が持ち上がり、左サイドを駆けが上がる前田へパス。前田は中央を見ながら並走する酒井高徳がスライディングするより早く中央へグラウンダーのクロスを送ると、新戦力FWのシュヴィルツォクが落ち着いてプッシュ。ゴールを奪った。

 試合前からロースコアゲームになると予想し、先制点が勝利のカギになると神戸の三浦淳寛監督は話していたが、勝負を決める1点は名古屋が手にすることになった。殊勲のゴールを挙げたシュヴィルツォクは加入3試合目で初ゴール。「本当に得点を取れたことはうれしいです。入団して初めての得点なので。ただ一番うれしいのは次のラウンドに行けることです」。試合終了間際に値千金のゴールを挙げたストライカーは、チームの勝利を何より喜んだ。

 そして名古屋のマッシモ・フィッカデンティ監督は狙い通りの勝利だったと振り返った。

「この日程で神戸に勝つためには、われわれは試合をやったばかりで相手は日数が空いていたので、体力的な部分でその差をどう埋めていくか考えなければならなかった。そこで選手たちは用意した通りの戦い方をやってくれました。いつもなら前からプレスに行くところも行くなということで、我慢して我慢して受ける形で臨みました。ただ、その中でもどこのゾーンは使わせるな、ここに来たら絶対に止めるというのを、準備した通りにやり切ってくれた。途中でオープンになったところで、こちらもチャンスを作れたので、もっと早い段階で点を取れたらよかったんですけども、ほとんどリスクのない試合ができたと思います」

 ボールを持たせても、決めさせない。そして機を逃さず、仕留める。プランをしっかり遂行し、結果をつかんだ選手たちを指揮官は称えた。難しい相手に勝利を収めた名古屋は、この結果、天皇杯で7年ぶりの準々決勝進出が決定。22年ぶりの優勝へ、また一つ階段をのぼった。


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