上写真＝11分の鮮烈な先制弾を決めた小泉佳穂を仲間が祝福。浦和が快勝だ（写真◎J.LEAGUE）
■2021年6月27日 明治安田生命J1リーグ第20節（＠埼玉/観衆4,724人）
浦和 2-0 福岡
得点：（浦）小泉佳穂、明本考浩
「継続して挑んでいく、その言葉に尽きる」と長谷部監督
試合の趨勢は11分であらかた決まったかもしれない。浦和レッズの先制ゴールは、小泉佳穂の左足から生まれた。
右からの西大伍のパスを受けて相手最終ラインと平行になるように中に持ち出すと、前寛之のスライディングを軽々とかわして左足を振り抜き、ゴール右にズバリ突き刺してみせた。
浦和がこのゴールでリズムに乗って、アビスパ福岡を寄せつけなかった。このシーンが西のパスがきっかけで始まったように、西、田中達也の右サイドで引きつけて、そこに小泉が関わりつつ、左サイドに一気に展開するパターンの連続攻撃が効いた。29分にキャスパー・ユンカーがこぼれ球を拾って左に展開、明本考浩がマイナスに折り返して小泉が左足でたたいたり、38分に伊藤敦樹のサイドチェンジから同じく明本がニアに鋭く送り、ユンカーが狙うなど、何度も「右→左」は効果を発揮した。
後半は1点を追いかける福岡が開始から攻撃にパワーをかける展開。こちらもキーエリアは右サイドで、エミル・サロモンソン、ジョルディ・クルークスと自慢の名クロッサーを縦に並べてサイド攻撃を仕掛けた。54分にはクルークスが強烈なミドルシュートを放ち、61分にはサロモンソンの右からのクロスをジョン・マリがヘッドで狙うのだが、浦和を本当に脅かすまでにはいかなかった。
そのうちに浦和がもう一度、押し返す展開に。76分には汰木康也の左CKに合わせた明本考浩がニアで頭を振ってゴール右へと送り込む追加点を奪った。83分には汰木が倒されて得たPKを、ユンカーがGK村上昌謙にストップされてしまうが、最後まで攻勢を保って2-0できっちりと試合を終わらせてみせた。
福岡にとっては勝てば順位を入れ替えられる一戦だったが、及ばずにこれで3連敗。7分、2分、そして11分と3試合連続で開始早々に失点していることを敗因の一つに挙げながら、長谷部茂利監督は「相手は常に強いので、常にチャレンジャー精神で臨んでいますが、継続して挑んでいく、その言葉に尽きると思います」と悔しさを噛み締めた。
浦和のリカルド・ロドリゲス監督が指摘したのは、大きく2つの点。「前半は支配することができてゴールも取れました」と狙い通りの戦いだったことが一つ。一方で「後半に関しては相手が放り込んでくるのに対して影響を受けたというか、こちらもそういう展開になって行ったり来たりになってしまった」と、相手のリズムに合わせてしまう時間があったこと。
それでもアウェーで福岡に敗れたのと同じ2-0のスコアでリベンジを果たし、暫定ながら5位にまで順位を上げてきた。その課題を踏まえてさらに上昇を目指す。
現地取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
