2021年6月26日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループIのグループステージ第1節が行なわれ、川崎フロンターレが韓国の大邱FCと、ロコモティフ・スタジアムで対戦。2度リードを許す苦しい展開となったが、J1王者の地力を発揮し、川崎Fが逆転勝利を飾った。

上写真=超絶技巧のオーバーヘッドなど2ゴールを挙げて勝利に貢献したレアンドロ・ダミアン(写真◎ 2021 Asian Football Confederation)

■2021年6月26日 ACL・I組GS第1節(@ロコモティフ・スタジアム)
川崎F 3-2 大邱
得点:(川)レアンドロ・ダミアン2、ジョアン・シミッチ
   (大)ファン・スンミン、セシーニャ

・川崎Fメンバー:GKチョン・ソンリョン、DF山根視来、ジェジエウ、谷口彰悟、登里享平(66分:車屋紳太郎)、MFジョアン・シミッチ、脇坂泰斗(63分:大島僚太)、旗手怜央、FW家長昭博、レアンドロ・ダミアン、三笘薫(87分:山村和也)

・大邱メンバー:GKチェ・ヨンウン、DFパク・ビョンヒョン、ホン・チョンウン、キム・ウソク(45+2分:イ・グノ)、MFチャン・ソンウォン(82分:ジョ・ジヌ)、イ・ジンヨン(55分:イ・ヨンレ)、西翼(81分:パク・ハンビン)、ファン・スンミン(46分:アン・ヨンウ)、キム・ジンヒョク、セシーニャ、FWエジガル

PKストップとオーバーヘッド!

 今季のACLに参加する日本勢4チームのトリを取る形で、J1王者・川崎Fが初戦に臨んだ。しかし立ち上がり、思わぬ形で失点してしまう。8分、右サイド裏にスルーパスを通されると、セシーニャにシンプルにクロスを入れられた。中央で相手FWエジガルがトラップしたところにプレスバックしたシミッチがアタック。ボールを突いたが、こぼれた球を後方から走り込んだファン・スンミンに蹴りこまれて先制を許した。

 まだゲームが落ち着かない時間帯に、らしくない失点。大邱の出足の鋭さに後手を踏んだ。その後もボールの回収力で相手に上回られ、カウンターからたびたびピンチを招く。29分には絶体絶命の場面を迎えることになった。カウンターに慌てたジェジエウがボックス内でエジガルを倒してPKを献上。リズムをつかみきれないまま、突き放される場面を迎えてしまった。1点をリードし、リスク管理を徹底しながらカウンターを繰り出す相手の術中にはまった格好だ。

 だが、ここで川崎Fの守護神がビッグプレーを見せる。チョン・ソンリョンがエジガルのキックに見事に反応。コースを見切って右に飛び、右手でボールをはじき出したのだ。まさしくチームを救うセーブで、チームはギアを入れ直すことになった。直後の三笘のシュートはGKの好守に遭い、左CKから狙った谷口のヘッドは枠をとらえられなかったが、徐々にペースをつかみ始めると、40分に鮮やかな同点ゴールが決まる。

 ジェジエウのフィードを相手DFにマークされながら反応したL・ダミアンがボックス内でトラップすると、ゴールを背にしたままボールを浮かせてそのままオーバーヘッドシュート。今季の浦和戦や湘南戦で決めた超絶技巧をまたも披露して、大邱ゴールをこじ開けた。

三笘からダミアンで再び追いつく

 1-1で迎えた後半、先に点を取ったのはまたしても、大邱だった。47分にFKの流れからセシーニャにヘディングを決められてしまった。やや集中力を欠いたか、ボールウォッチャーになり、アプローチが遅れた。仕切り直して臨んだ後半の立ち上がりで再びリードを許すことになった。ところが、川崎Fは落ち着いていた。すぐさまチームの武器でゴールを生み出した。

 51分、旗手のパスから抜け出した三笘が左サイドを切り裂き、敵陣深く進入。右足アウトで折り返すと、相手守備陣の当たったが、こぼれ球にL・ダミアンがいち早く反応し、ニア上にシュートを突き刺した。三笘の突破とL・ダミアンの決定力で、ゲームを再び振出しに戻してみせた。

 同点に追いついた川崎Fはその勢いを駆って、攻めの圧力をかけていく。そして55分、左CKの流れからシミッチが蹴りこみ、ついに勝ち越しに成功。63分には今季初出場となる大島を投入してチームのバランスを整えると、ボールを保持率を高め、さらなるリードを狙っていった。

 65分にはボックス内でセシーニャにシュートを打たれたが、チョン・ソンリョンがこの日2度目のビッグセーブでストップ。その後も何度かチャンスを作られたものの、集中した守備でゴールは許さなかった。追加点を奪えず、しかしながらゴールも許さず。川崎Fは苦しみながらもきっちり試合を締め、勝ち点3をつかみ取った。

 グループIの最大のライバルと目される大邱を初戦で下したのは、今後の展開を考えても大きいだろう。これぞACLという激闘を制し、日本勢のトリを見事に飾った川崎Fは次戦、中2日で北京FCと対戦する。


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