名古屋グランパスで攻撃の中心になっているのは、間違いなくマテウスだ。スピードあふれるドリブルと重々しい左足のキックで堅守速攻のチームを支えている。当然、相手からの警戒は増すばかりだが、仲間とともに乗り越えていく。

上写真=やっぱりマテウスには笑顔が似合う。J1でのキャリアハイは9ゴールだが、今季はすでに6ゴール。更新も時間の問題だ(写真◎J.LEAGUE)

「2つの状況を感じて把握して」

「強いグランパス」にはマテウスの爆発力は欠かせない。タイトな守備力が語られる今季の名古屋だが、守ったそのあとに速さと強烈な左足で仕留めるマテウスがいるからこそ、相手に脅威を与えることができる。

 もちろんその分、相手の警戒は強まる。

「自分だけではなく外から見ている人の方が感じるかもしれません。そこを乗り越えなければいけない思いが強いですね」

「相手の守備力を感じますが、それをどう上回るかが自分の役割。きつい試合の中でどれだけ貢献できるかやっていかなければならないと思います」

 今季は全18試合に出場して、3試合に1得点のペースで現在6ゴール。チームトップの数字だが、そのこと自体がマテウスの目的ではない。

「グランパスの前線の選手はみんなクオリティーが高いので、いつでも試合を決めてくれる選手はたくさんいます。僕がマークされても他に点を取ってくれる選手がいるので問題ないですね」

 だから、「引きつけ役」になることも厭わない。

「とりあえず僕のところが2対1になったらほかで一人余っているという状況なので、その選手を探してパスコースを見つけます。マンツーマンで来たら、しっかり抜いて相手ディフェンスに危険性を与えることを考えています。その2つの状況を感じて把握して、いい選択をしたいと思います」

 次にその「危険」を突きつける相手はベガルタ仙台だ。勝てない時期が続いて順位は17位だが、マテウスが気を抜くことはない。自分たちが2試合で7失点を喫して連敗した川崎フロンターレに、2-2で引き分けた実績を侮るわけにはいかない。

「仙台は首位の川崎との試合でもしっかり勝ち点1を獲得することができていたので、簡単な試合にはなりません。私たちのホームでの試合ですし、サポーターの力もある中で自分たちのテンポ、リズムを最初から最後まで出したいと思います」

 その仙台には、ヤクブ・スウォビィクが守護神としてゴールを守る。ハイレベルな「最後の砦」を破らなければならない。

「確かにクオリティーの高いキーパーだと思っています。ホームで勝ち点3を獲得しなければいけない思いをぶつけたいと思います。どれだけクオリティーが高くても決める思いが強ければ乗り越えられます。しっかり勝ち点3を獲得することが目的です」

 6月にはAFCチャンピオンズリーグも控えていて、ますますマテウスの驚異の左足が重要になってくる。


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