上写真=ネルシーニョ監督はFC東京を警戒。5連敗中だからこそパワーを注いでくると感じている(写真◎J.LEAGUE)
「難しい試合になるのは間違いありません」
5月15日の「Jリーグの日」に行われるJ1第14節は、柏レイソルにとって非常に重要なゲームになりそうだ。
相手は勝ち点15で13位のFC東京。そこから勝ち点2差の15位で追いかける柏にとっては、勝てば順位をひっくり返すチャンスだ。2連敗の柏に対してFC東京は5連敗中。実はその状況がやっかいだと、ネルシーニョ監督は感じている。
「リーグで5試合に勝っていないことを考慮すると、相手は是が非でも勝ちたい、状況を好転させたいという強い気持ちで挑んでくるだろうと思います」
勝てていないことが逆にパワーになるという警戒。個人個人の能力の高さにもアラートを発している。
「個人技があり、前線にはスピードのある選手がいる特徴あるチームです。しっかり組織的にゲームに入らなければならないし、訪れる数少ないチャンスを仕留めきるのが大事になってきます。難しい試合になるのは間違いありません」
勝負のポイントに挙げた「仕留めきる」の部分は、まさにこの連敗でネルシーニョ監督が選手たちに改善を求めている部分。第12節でベガルタ仙台に今季初勝利を献上し、第13節ではアビスパ福岡にクラブ初のJ1での4連勝目をプレゼントするはめになった。どちらもスコアは0-1。チャンスに決めていれば…というゲームが続いた。
「大事なのは最後のフィニッシュのところで落ち着いて仕留めることに尽きるのですが、フィニッシュゾーンで打てるのにパスを出したり、パスを出せるのに持ち運んで無理な姿勢から打ったり、つまり、判断やタイミングにおいて改善の余地があるということです。ボックスに入っていく人数も十分に対応できているけれど、最後にネットを揺らす作業で判断がよくないのかなと思います。流れの中でチャンスは作れていますから、ボールが入ってくるのを信じていい立ち位置に入っていくことが大事になります」
最後の瞬間に冷静になるために判断力を研ぎ澄ませ、ということだが、もう一つ、90分を見通した試合運びについても修正を施す。「福岡戦も仙台戦も先制を許すとペースを乱された」からだ。
「試合は90分で決まるものなので、組織として戦う姿勢を失い、一人ひとりが好き勝手に状況を打開しようとすると、反撃に出られるものも出られなくなります」
0-1で連敗した試合では、先制されたあとに攻めあぐねたこともあって落ち着きを失ったという感覚だ。
「先制を許したとしても、必ず自分たちの時間が来るのです。そのために組織的に戦う、1試合を通して戦い抜く、という姿勢を選手に伝えたところです」
もう一度、自分たちの強みである「まとまり」を思い起こして、FC東京を迎え撃つ。