5月8日の明治安田生命J1リーグ第13節で、首位の川崎フロンターレがまたもや勝った。敵地に乗り込んだガンバ大阪との一戦で、カウンターから2発を見舞って2-0の勝利。先制ゴールを決めたのはエースのレアンドロ・ダミアンで、これで早くも10ゴール目と絶好調だ。

上写真=レアンドロ・ダミアンが「スーパーマンパフォーマンス」で、今季10点目を祝った(写真◎J.LEAGUE)

■2021年5月8日 明治安田生命J1リーグ第13節(@パナスタ/リモートマッチ)
G大阪 0-2 川崎F
得点:(川)レアンドロ・ダミアン、三笘薫

「落ち着いて流し込むだけ」

 川崎フロンターレの大エース、レアンドロ・ダミアンの節目の今季10ゴール目は、その左足を振り抜いて生まれた。

 41分、カウンターから左サイドを抜け出したのが長谷川竜也。そのまま中にグイグイと進み、追いかけてきたDFに引っ掛けられそうになりながらも怖がらず突き進んだことで、うまくボールがレアンドロ・ダミアンの前にこぼれた。これを左足ですかさず決めてみせた。

「竜也が特徴を生かしてドリブルで仕掛けてくれました。ディフェンダーの足に当たって転がってきたと思うのですが、落ち着いて流し込むだけのシーンでした」

 今季は3月6日の第2節、ベガルタ仙台戦でベンチに座ったままだった以外は、14試合に出場している。これで早くも10ゴール目だ。ハイペースで量産して、得点ランクでも単独トップに立った。4月のJリーグ月間MVPにも選ばれた。

 この日は中3日の連戦となり、しかもこの試合の前に名古屋グランパスとの首位決戦を2戦連続で戦っていて、ビッグゲームのあとの疲れもあった。しかし、だからこそこの試合でチーム力を証明しなければいけなかった。

「どの試合にも集中力を高めて入っています。それがこの順位にいる原因だと思います。この試合にも同じように集中を高めて挑むことできたので、この結果につながりました」

「まずは落ち着いていつも通りにプレーすることが大事でした。攻撃しながらも後ろで準備してセカンドボールを拾って、またすぐに仕掛けるのがポイントになったのではないかと思います」

 ガンバ大阪は嫌になったのではないか。その言葉通りに、攻めて、奪われても次の瞬間にすぐ取り返してまた攻めて、を執拗なまでに繰り返していった。

「うるさく叱咤激励を」

 この日はキャプテンの谷口彰悟がベンチで控えていたため、キャプテンマークも巻いた。

「実際は彰悟のキャプテンマークですが、今日はベンチスタートなので代わりに任せてもらうことになりました。とてもうれしいことですけれど、私の役割は第一に彰悟をサポートすることです」

 あくまで谷口を立てて、自身は「代役」であることを強調したが、その存在感はもちろんキャプテン級だ。

「キャプテンという立場で、というよりは、いつも通りにうるさくみんなに叱咤激励の声をかけましたよ。みんなそこは日頃から分かっていますし、これまでと同じような役割として、みんなを鼓舞していきました」

 うるさく、というところでにっこりと笑ったが、爽やかな笑顔を見せたやり取りはもう一つ。ゴール後のパフォーマンスについてだ。胸の前で両手を左右に動かしたあと、右手で拳を作って突き上げた。

「今回は自分の息子に向かって、スーパーマンの真似をしたんです。服を破って上に飛んでいくポーズで。スーパーマンのようには実際には飛べませんでしたが」

 本当に空を飛ぶことはできなくても、これからもさらにゴールを積み重ねることで、チームを高く高く飛ばすことはできるだろう。

写真◎J.LEAGUE


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