上写真=4月29日の試合で急きょ指揮を執ったコンカ・コーチ。「同じミスは繰り返さない」と意気込む(写真◎J.LEAGUE)
「3分で失点しないことですね」
大注目の頂上決戦、首位・川崎フロンターレと2位・名古屋グランパスの2連戦は、4月29日の「第1ラウンド」で名古屋が川崎Fに0-4と大敗した。マッシモ・フィッカデンティ監督が試合当日に新型コロナウイルス感染症の疑いにより受けたオンサイト検査で判定保留となり、指揮を執ることができなかった。30日には陽性判定を受けて、続く5月4日の「第2ラウンド」も1戦目と同様に、コーチのブルーノ・コンカがチームを導くことになった。
とはいえ、ベンチではフィッカデンティ監督と連絡を取り合い、2戦目も同様のスタイルで臨むとコンカ・コーチは説明する。
「必要ならマッシモと連絡を取りながら意見を聞いて、戦い方を変えたり選手を代えたりしていきます。彼もまた関わることができるので、そこを改善するというよりは同じような形になると思います」
大敗したままで腰の引けた戦いをするつもりはない。コンカ・コーチは「川崎相手にどうやっていい入りをするか、3分で失点しないことですね」と、前回の先制された時間を引き合いに出したが、これはもちろんジョーク。笑って和ませたのは、「そういうことはサッカーの中では頻繁に起こること」と特別視していないからだ。
「あまり部分部分を切り取っていいところと悪いところを指摘しても、0-4の試合のあとに我々が皆さんに発信するために言い訳がましく話をする必要はないのかなと思います。言葉ではなくグラウンドで戦って示すべきものですし、そのことを選手は分かっています。あの日も90分ずっと支配されていたわけではないし、試合の方向を決定的にされた時間も戦えていないとは感じてはいませんが、得点が選手に与える影響は大きいものです。メンタル的にも難しいシチュエーションで、いろいろ重なったこともあります。ただ、このまま続けて話しても言い訳にしか聞こえないでしょうし、まったく別の角度からアプローチしているので、自信を持ってやっていきたいと思います」
つまりそれは、「しつこくこの前の試合を掘り下げることはあまりしていない」という姿勢によって、次の試合に集中しているということだ。
「自分たちらしさを出せた上で、こてんぱんにされた、というような感覚はありませんし、自分たち自身に悔しさを感じなければいけない試合でした。相手のゴールを一つひとつ見ていって冷静に分析した上で、技術的な、戦術的なミスがどのようにして相手の得点に直結したのかは分かっているので、同じミスを繰り返さないことです。向こうはそれを狙ってくるので、そこへの対策をした上で、自分たち自身が試合を方向づけられるような準備をしています」
惨敗を喫したからといって、まだ何も終わってはいないのだ。
「川崎だから警戒心を高めて特別に準備する、ということではなく、どこが相手でも全力で相手に対して取り組むことを続けてきました。ですから、マッシモとも連絡を取りながら一緒に取り組んでいるし、いつも通りのやり方でやっていきたい」
その場にはいなくても、フィッカデンティ監督と一緒に戦うのだ。