上写真=前節、川崎Fとの『連戦第1戦』に先発フル出場した吉田豊(写真◎J.LEAGUE)
よりタイトに、より積極的に、より一丸となって
4月29日の川崎Fとの今季初戦は、0-4で敗戦。ホームで完敗を喫してしまった。左サイドバックとして先発した吉田豊は、自戒を込めて振り返った。
「自分たちのやりたいこと、やるべきことができなかった。その一つを挙げれば、プレッシング。相手に行ってるけど、あと一歩を詰められなかった。距離感の部分でプレッシャーをかけているつもりでも、それがかかっていない。その結果、相手が自由にプレーできる状態をつくってしまった」
確かに、川崎Fに自由を与えてしまったのかもしれない。昨季、ホームでは1-0と勝利しており(第12節)、無敗で首位を快走するチームを止める可能性を指摘されていた。だが、結果は0-4の大敗。「早い時間帯の失点で迷いが出た。守備を固めてそこから自分たちの流れに持っていくという考えもあっただろうし、逆に前から行こうという選手もいたと思う。そこで共有意識を持てずに曖昧になったのかもしれません」。吉田が言う通り、開始3分の失点が大きかった。ゲームプランは早々に崩れ、立て直しをはかる前に、10分に2失点目を喫した。修正する間もなく、突き放され、川崎Fの圧力を受け続けることになった。
「試合をやっていて一番ハードに感じました。川崎自体もおそらく、名古屋にはいつも以上にやらないといけないと思って臨んでいたと思います。そこで少し引いてしまったというか、僕らもそれ以上にやらないといけないはずが、いつも通りか、それ以下になってしまった。その差がクオリティーにつながっていたと思う。試合中に変えられる部分もあったはずですが、こう言ったらあれなんですけど、キックオフの時点で勝負は決まっていたと思えるぐらいで。戦わなければいけないところで戦い切れなかった」
そもそもの準備の段階で負けていた。それくらい大きな差を感じることになった。試合当日のオンサイト検査でフィッカデンティ監督が判定保留となり、試合にエントリーできなかったことの影響もあったはずだが、吉田は一切言い訳しなかった。「監督不在でも僕らがしっかりやらなければいけなかった試合。選手もそうですが、スタッフと一丸となって積み上げてきたものをやり続けて、監督がいつ戻ってきても良い状態でいるというのが僕たちのできること。継続して続けていくだけだと思っています」。中4日で迎える川崎Fとの再戦もフィッカデンティ監督不在で戦うことになった。前回対戦でできなかった、タイトなプレスとアグレッシブな姿勢に加え、一丸となって戦うことがポイントだと吉田は強調した。
「コンパクトにして、良い距離感でプレッシングをして良い攻撃につなげるというのが理想的な形。ゲーム展開のなかでいろいろと変わっていくと思いますが、いつも通りと言うか、今までやってきた、マル(丸山祐市)を中心に共有意識をもって挑むことが僕らのストロングポイントだと思っています」
前回は相手の強みを出させてしまった。今度は自分たちのストロングポイントを出す番。もう同じ轍は踏まないーー。