名古屋グランパスがついに黒星を喫した。4月18日の明治安田生命J1リーグ第10節でサガン鳥栖に1-2で今季初の敗戦。前半で0-2とされるまさかの展開で、稲垣祥のミドルシュートで1点を返したが、そこまで。その稲垣は相手の素晴らしい戦いを称えつつ、敗戦を糧にすることを誓うのだった。
上写真＝ゴールを決めて味方を鼓舞する。稲垣祥が右足ボレーで追撃の一発を決めた（写真◎J.LEAGUE）
■2021年4月18日 明治安田生命J1リーグ第10節（＠豊田ス/観衆9,552人）
名古屋 1-2 鳥栖
得点：（名）稲垣祥
（鳥）林大地、酒井宣福
「1点を返せたのはチームの力」
負けを認めて受け入れることができるから、改善のステップに進める。J1第10節で名古屋グランパスは1-2でサガン鳥栖に敗戦。開幕戦以来の失点を喫し、今季初黒星となった。悔しいけれど、名古屋の稲垣祥は開口一番、鳥栖の戦いを称えた。
「残念な結果ですが、まず相手が僕たちに対して素晴らしい試合をしてきました。相手が良さを出して、敵ながら素晴らしかったと思います。自分たち自身もそういう相手に対してもう少し崩れずに、自分たちの良さを出しながらゲームを運べればと感じます」
開始わずか6分で先制され、9試合連続無失点の記録があっけなく止められた。45分にも追加点を浴び、0-2で折り返す展開になった。これが試合を難しくした。
「向こうからしたら、2-0ならディフェンスを固めてカウンターを狙うというのが、サッカーでは当たり前の展開です。だからこちらがボールを握りながら押し込むのも必然でした」
だが、鳥栖の売りはハードディフェンスだ。こじ開けるのは簡単ではなかった。ようやく1点を返したのは85分のこと。右からの森下龍矢のクロスのこぼれ球を、稲垣が右足ボレーでダイレクトでたたき込む、得意のミドルショットだ。
「1点を返せたのはチームの力だと思います。それが形として表れたのは良かったと思います」
「全部ひっくり返されました」
ただ、この一発に終わった。
「もっともっと、リードされているときにどう自分たちがリスクを犯して攻めていくか。どういう崩しをしていくのかのアイディアが足りませんでした」
その点では鳥栖は明確だっただろう。酒井宣福の起用でそれは稲垣にも分かっていた。
「酒井選手が出てきたことで起点になられてしまいました。僕たち自身が前からプレスにいこうとした中で、シンプルにそこ（酒井）を目掛けてきました。こっちからしたら少し後手に回った要因かもしれません」
鳥栖の強度に負けないパワーでボールを奪いにいく狙いが、酒井をターゲットマンにしてどんどんと放り込まれることで外された。
「前からはめにいっているけれど、全部ひっくり返されました。僕たちはバランスを崩して前に行く分、相手に収まりやすい状況ではありました。自分たちらしく重心を低くしてから攻めるという選択肢を持てなかったかなといまになったら思いますが、もう終わったこと。これを糧にして自分たちの引き出しが増えたと思ってやっていきたい」
負けてもただで転ぶつもりはない。
