上写真=大島は反省はその試合で修正しなければ、と考えている(写真◎Getty Images)
「負けて意味のあることはあまりない」
当たり前の話だが、大島僚太は名古屋グランパスに喫した今季初黒星に「悔しい」と言う。試合に負けた、ということはもちろんなのだが、自分への叱責を込めた悔恨でもある。「試合をしながら修正できなかった自分自身に対する不満があります。次に(名古屋と)対戦するまでに時間があることが残念で、すぐにでも試合をしたい。それぐらい悔しさが大きかった」。いますぐにリベンジしたい。次は勝つ。そんな思いが伝わってくる。
この名古屋戦は後半からの出場だった。前半終了の直前に先制されていたから、当然パワーを掛けて巻き返しのゴールを奪うのが最大の役割だ。しかし、ミッションは失敗。
「途中から出て、ゴールやアシストの部分でもっと、こうすればこうなるな、ということを求めてやっていきたいと思いました。それが自分の意識の問題なのか、ポジショニングなどいろんな要素なのか、クリアして今後につなげたいと思います」
こうすればこうなる、という表現がいかにも技術と感性に理論を融合させる人だと感じさせるが、あとから振り返っても意味はない、というのが大島の持論。
「言葉のニュアンスになると思いますけど、勝ちながら成長し続けたいし、負けて意味のあることはあまりないのかなと思っています。(名古屋戦のように)ビハインドの状況は今後もあると思いますが、修正して90分の中で仕留めることをもっと向上させたいです。終わって気づくのは遅いですし」
反省はその試合の中で消化して修正して生かして、そして勝つためにある、ということだ。敗戦から学ぶものももちろんあるだろうが、鬼木達監督が常日頃から「勝ち続けることで学びたい」という意味はこういうところにあるのかもしれない。
「各々が感じながらできている部分もあるとは思いますけど、結果的に数多くのチャンスができたかというとそういう感じでもなかった」
「自分が頑張るということが、動き回ることなのか、止まっておいてボールが来たときに質の高いプレーを出すことなのか。その使い分けはまだできていない気がするので、その判断のところ、頭の整理は今後も高めていかなければいけないと感じています」
試合の中で微調整する作業は、どこまでも続いていく。
次は中2日でヴィッセル神戸との対戦。
「ボールを大事にしながら押し込む印象があるので、前線から圧力をかけ続けたいと思います。今年はシステムを含めてそういうスタイルを貫いてきているので、前半から仕掛けていきたい」
「ハーフコートで押し込んでプレーし続けたいという気持ちはあるので、前半から相手のビルドアップにプレッシャーをかけたいし、ボールを持ったときには速い攻撃をしつつ押し込むことができたらと思っています」
こうすればこうなる、のイメージは、もうできているようだ。