「拍手かブーイングを」
山﨑凌吾にとって、古巣対決だ。
J1第11節は湘南ベルマーレとのアウェーゲーム。1年半、プレーした前所属クラブとのゲームは、前節でFC東京に0-1で敗れているため、絶対に連敗を避けなければならない大事な一戦になる。
「ブーイングも大丈夫です。何もない反応のほうが嫌なので、拍手かブーイングをお願いしたいです」と湘南サポーターに頼んで笑わせたが、余計な感情は背負わない。
「いつもの自分を出したいと思いますし、古巣戦だからといって気負うこともないし、グランパスの一員としてプレーしたいと思います」
警戒心は強い。湘南でプレーして、そのスタイルが肌感覚で分かっているからだ。
「一体となって戦ってくるチームだということは、1年半過ごして一番感じてきました。いまなかなか勝てていませんが、そういうときの湘南は一番危ない。一丸となってくるので、気を抜かずしっかり戦っていきたい」
「今年のチームは今年で色があると思いますし、メンバーも変わっています。ただ、昨季戦ったメンバーを中心に、負けているときだからこそどうやって戦うかを知っているので、湘南の良さを出させないように自分たちの良さを出していきたい」
ピッチの状態に慣れているのも強みになるだろう。Shonan BMWスタジアム平塚は「Jの中でもトップレベルの芝生だと思います。そこでやれるのは楽しみです」と環境は抜群だ。前節では多くの水を含むいわゆる重馬場のピッチに苦しんだ名古屋のメンバーも、得意のスピード満点の攻撃を思い切り披露できるはずだ。
そして自分でとどめを刺したい、と意欲を隠さない。
「名古屋にはサイドに特徴のある選手が多いですし、これまでもクロスからのシーンがたくさんあります。そこでの得点を多く取りたいし、そのイメージを持ちながら相手の怖いところに入っていきたいと思います」
187センチの長身を携えて危険な場所へ突進していく。そんなシーンが数多く見られそうだ。
「自分のプレーを出せている部分もありますが、結果につなげたいと思っていますし、グランパスが上に行くために必要なプレー、ゴールやアシストで貢献したいです」
「ゴールは常にイメージを持っていますし、チャンスは必ずあります。それをものにできるように日頃から準備しています」
移籍後、リーグ戦ではまだ得点なし。今季初ゴールを古巣から決めることができれば、とても思い出に残る一発になるはずだ。