川崎フロンターレは明治安田生命J1リーグ第10節で北海道コンサドーレ札幌から大量5ゴールを奪って9連勝。3点目を決めて勝負の行方を決定づけたのがレアンドロ・ダミアンだ。今季リーグ4点目。さらなるゴールラッシュを狙う。

上写真=好調を維持するレアンドロ・ダミアン。まだまだ止まらない(写真◎)

「試合で上げて、整えています」

 北海道コンサドーレ札幌に5-1と大勝した前節で、事実上、勝負を決めたと言えるのが、レアンドロ・ダミアンによる3点目だろう。55分、三笘薫の短いスルーパスから抜け出して、右足のアウトサイドに引っ掛けてすくうようにシュートしたが飛び出したGKに当たってしまった。しかしこれが相手DFにぶつかって、ボールは自分の足元へ。難なく右足で押し込んだ。

「必ず自分が決められるという自信があって(スペースに)入っていきました。(相手に当たったが)運もあって跳ね返りが自分のところに転がってきましたね」

 リーグ2戦連発で計4点目。ローテーションしながら戦うチームの大きな軸になっているが、その秘密は協調性だ。

「ゴールを積み上げてきていますが、もちろん自分だけではなくてチームメートがサポートしてくれているからです。それに、自分が決めるだけではなくてチーム全体で誰が入っても自信を持ってプレーできていて、それがゴールや勝利につながっています」

 このゴールでも、三笘薫と脇坂泰斗の縦のワンツーで崩した瞬間に相手がボールに吸い寄せられたところでフリーになって、いわゆる「3人目」として裏に抜け出した、という軽快なコンビネーション。狭いエリアでも高い技術でやすやすと突破してしまう川崎Fの象徴的なゴールの一つではないだろうか。

 華やかな攻撃面ばかりが目立つが、守備への意識の高まりがあるからこそ。「ゲームの中で一人でプレスをかけて後ろがついてこられないときは難しい状況になりますが、そのときは自分のいるべきポジションに戻って相手を挟み込むことができればいい。フロンターレのスタイルを意識していやっています」と抜かりはない。

 連戦によるコンディションの維持が難しさを増す中、2度目の日本の夏では今年ならではの調整法を採用している。それが、「試合で整える」こと。

「連戦なので、練習の中でコンディションを整えるのは難しいと思います。ですから、試合でコンディションを上げて、整えています。連戦でもいいリズムでできているので、いままで通りやっていければいいと思います」。試合も調整の延長線上に置くというのは、いわば考え方の転換。まさに裏技とも言えそうなこの意識で、頭の中の疲労もリフレッシュしていく。

 9連勝はキャリアの中で記憶にもないほどの記録だというが、次の相手はセレッソ大阪。2位に食らいついてくる強敵だ。でも、余計な意識はしない。

「まだ自分がスタートから出るかどうかは分かりませんが、セレッソもいい状態で試合を運んできています。ガンバ戦のような難しいゲームになるのではないかと思っていますが、でも相手のことを考える必要はないと思います。重点を置くのは自分たちがやることであって、やってきたことをやれば勝利で終われると思います」

 そしてレアンドロ・ダミアンが「やること」とは、もちろんゴールを決めることだ。今季リーグ5点目が、チーム10連勝を導く。それが最上のシナリオだ。


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