7月4日、4カ月ぶりに明治安田生命J1リーグが再開した。観客がいないリモートマッチでの開催となったが、いずれの試合でもピッチでは気持ちのこもった、激しい戦いが繰り広げられた。白熱の全9試合を写真で振り返る。

上写真=毎度、白熱する大阪ダービー。今回は吹田Sで初めてセレッソが勝利を収めた(写真◎毛受亮介)

リモートマッチで開催

 J1リーグはおよそ4カ月ぶりに再開した。ファン・サポーターがスタンドにいないリモートマッチでの開催。そしてゴール後のセレブレーションで過度の接触を避けるなど、新様式での試合の実施。見る側もやる側も、これまでとは異なる形でサッカーと向き合うことになった。

 それでも、Jリーグが帰ってきた事実は多くの人にとってやはり感慨深いものがある。鹿島の内田篤人は「僕らがJリーグを止めない」と覚悟を語ったが、ピッチから発信される熱は、これまでと同じ、いや、これまで以上に熱かった。

 リーグ中断期間、多くの選手、監督、スタッフが、サッカーやクラブ、そしてJリーグの存在意義を自問自答したと話す。答えは簡単に出るものではないだろう。ただ、この日、ピッチに、Jリーグに戻ってきた彼らの思いは、画面を通じて多くの人に届いたのではないだろうか。先に再開・開幕されているJ2やJ3の選手・関係者も思いは同じだ。

画像: 埼スタではイスにビニール製のシートがかけられ、サポーターとチームの絆を示す文字も出現(写真◎J.LEAGUE)

埼スタではイスにビニール製のシートがかけられ、サポーターとチームの絆を示す文字も出現(写真◎J.LEAGUE)

気持ちが入った白熱の全9試合

 J1は全9試合が7月4日に開催された。注目は大阪ダービー。就任3年目を迎えた宮本恒靖監督率いるガンバ大阪と、2年目のロティーナ監督率いるセレッソ大阪の対決。過去、吹田スタジアムでC大阪に3戦負けなしのG大阪だったが、この日はそんなジンクスが当てはまらなかった。前半終了間際に先制され、後半も追加点を許す。いずれもオープンプレーでの失点。G大阪はPKによる1点を返すにとどまり、吹田Sで初めて黒星を喫することになった。

 この試合で際立ったのはC大阪の機能美だ。中で作ってサイドへ。そして再びサイドから中へ。シンプルながら効果的な攻めで得点し、ライバルに勝ち切った。守っても昨季、最も失点が少なかった守備力は健在。PKによる1失点に抑えている。仕上がりの良さとチーム完成度の高さを示す内容だった。G大阪は遠藤保仁のJ1最多出場記録更新(632試合)に花を添えられず、文字通りの完敗を喫してしまった。

 そのほか『西日本ブロック』の対戦の中では開幕節を終えて首位に立っていた広島の変わらぬ好調ぶりが目立った。神戸とのアウェーゲームに臨み、3発快勝。絢爛豪華なメンツをそろえる神戸をチーム力で凌駕し、時間は空いたが開幕2連勝を飾った。

 一方の東日本ブロックでは昨季王者の横浜FMが敵地で浦和と対戦。浦和の守護神・西川周作の好セーブに阻まれたこともあるが、攻めきれず、スコアレスドロー。勝ち点1を持ち帰るにとどまった。昨季2位のFC東京は昇格組の柏とのアウェーゲームに臨み、セットプレーの場面でCB渡辺剛が決めて1-0の勝利。再開初戦を白星で飾っている。

 J1の次節第3節は、水曜日開催。中3日での試合に、各チームがどんなメンバーで臨むのも気になるところだ。

・横浜FC 1-2 札幌
 得点:【横】一美和成(16)
    【札】鈴木武蔵2(3、53)

画像: 札幌が鈴木武蔵の2得点などで横浜FCを下す(写真◎J.LEAGUE)

札幌が鈴木武蔵の2得点などで横浜FCを下す(写真◎J.LEAGUE)

・清水 1-2 名古屋
 得点:【清】金子翔太(18)
    【名】相馬勇紀(32)、OG(40)

画像: 先制したのは清水だったが、名古屋は相馬の得点で追いつき、前田のクロスがOGを誘って逆転勝ち(写真◎J.LEAGUE)

先制したのは清水だったが、名古屋は相馬の得点で追いつき、前田のクロスがOGを誘って逆転勝ち(写真◎J.LEAGUE)

・G大阪 1-2 C大阪
 得点:【G】アデミウソン(68)
    【C】奥埜博亮(45+2)、丸橋祐介(62)

画像: 丸橋の1得点1アシストの活躍でC大阪が敵地でG大阪を下した(写真◎毛受亮介)

丸橋の1得点1アシストの活躍でC大阪が敵地でG大阪を下した(写真◎毛受亮介)

・大分 2-0 鳥栖
 得点:【大】田中達也2(66、89)

画像: 途中出場の田中達也の2得点で大分が鳥栖を破り、九州勢対決を制した(写真◎J.LEAGUE)

途中出場の田中達也の2得点で大分が鳥栖を破り、九州勢対決を制した(写真◎J.LEAGUE)

・浦和 0-0 横浜FM

画像: 昨季のMVP、仲川輝人も沈黙。王者・横浜FM対浦和はスコアレスドローに終わった(写真◎J.LEAGUE)

昨季のMVP、仲川輝人も沈黙。王者・横浜FM対浦和はスコアレスドローに終わった(写真◎J.LEAGUE)

・柏 0-1 FC東京
 得点:【F】渡辺剛(62)

画像: 決勝点を挙げたのはFC東京の渡辺剛。昇格組を柏を1-0で下した(写真◎Getty Images)

決勝点を挙げたのはFC東京の渡辺剛。昇格組を柏を1-0で下した(写真◎Getty Images)

・川崎F 2-1 鹿島
 得点:【川】谷口彰悟(2)、長谷川竜也(30)
    【鹿】OG(32)

画像: 前半に2得点を挙げた川崎Fが鹿島の反撃を1点におさえて勝利。再開初戦をモノにした(写真◎小山真司)

前半に2得点を挙げた川崎Fが鹿島の反撃を1点におさえて勝利。再開初戦をモノにした(写真◎小山真司)

・湘南 0-1 仙台
 得点:【仙】ジャーメイン良(3)

画像: 仙台はジャーメイン良の得点を18歳のGK小畑裕馬の好守などで守り抜き、湘南に勝利した(写真◎Getty Images)

仙台はジャーメイン良の得点を18歳のGK小畑裕馬の好守などで守り抜き、湘南に勝利した(写真◎Getty Images)

・神戸 0-3 広島
 得点:【広】レアンドロ・ペレイラ2(35、81)、浅野雄也(48)

画像: 広島はL・ペレイラの2ゴールに浅野雄也のJ1初得点で神戸に3-0。安定感抜群の戦いぶりで開幕2連勝を飾った(写真◎J.LEAGUE)

広島はL・ペレイラの2ゴールに浅野雄也のJ1初得点で神戸に3-0。安定感抜群の戦いぶりで開幕2連勝を飾った(写真◎J.LEAGUE)

■J1リーグ順位表
順位チーム名
1広島622006
2FC東京622003
3C大阪622002
4仙台421101
4浦和421101
4川崎F421101
4名古屋421101
8321011
8大分321011
10G大阪321010
11札幌32101-1
12横浜FM12011-1
12横浜FC12011-1
14鳥栖12011-2
15神戸12011-3
16湘南02002-2
17清水02002-3
18鹿島02002-4

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