上写真=横浜FMとの再開初戦と、今後への意気込みを語った興梠(写真◎スクリーンショット)
「点を取り合うような試合を」
J1リーグ再開まで、あと4日。浦和レッズのFW興梠慎三は、4カ月ぶりの公式戦に向けて気持ちを高ぶらせていた。
「ファン・サポーターがいない中での試合は寂しさもありますが、画面越しで応援してくれている方もたくさんいると思う。そういう人たちのためにも、勇気を与えるようなプレーを見せたい」
中断期間中、SNSなどを利用して情報を発信する選手たちもいたが、興梠は違った。申し訳なさそうに苦笑する。
「僕は苦手なので。自分ができることは、再開したときにピッチの中で100%の力を注ぐこと。空回りしないようにしたい」
再開初戦でホームに迎えるのは、リーグ王者の横浜F・マリノス。昨季はホーム、アウェーともに完敗しており、ひと筋縄ではいかない。
「簡単に勝てる相手ではない。相手はどこからでも点が取れます。こっちは引いて守るよりも、前からプレスをかけたい。2度追い、3度追いしないと、高い位置でボールは取れない。チームとして攻撃的なサッカーを掲げているので、守るだけのサッカーはしたくない。点を取り合うような試合を見せたいと思っている」
エースのゴールには否が応でも期待は集まる。クラブ通算100ゴールまで、あと「1」。J1通算150ゴールまでは、あと「2」。節目のメモリアル弾への興味は示さなかったが、大黒柱としての責任感は口にする。
「チームの勝利が大前提になりますが、ゴールは狙っていきたい」
再開後は過密日程となり、絶対的な存在とはいえ、全試合に出場するのは難しいだろう。それでも、点取り屋としてのプライドは隠そうとしない。
「こういう状況でも2ケタ取るのが、真のエースだと思う」
前人未到の9年連続2ケタ得点に向けて、静かに闘志を燃やしている。
取材◎杉園昌之