上写真=オンラインで報道陣に対応したチョン・ソンリョン(写真◎スクリーンショット)
「ご飯が炊けるようになった」
コロナ禍による中断期間は、選手たちに非常に大きな影響を与えた。特に外国人選手のチョン・ソンリョンにとっては、自国で暮らす日本人選手以上にハンディがあると言ってもいいだろう。
小さな子どもたちのパパでもあるチョン・ソンリョンは、新型コロナウイルスが大々的な問題となる前に家族を韓国に帰らせたという。その後はビザなどの関係もあり、まだ家族は日本に再入国できていない。
活動休止中は自分なりに体を動かすなどしていたが、困ったのが食事であるようだ。驚くことにチョン・ソンリョンはこれまで、米を自分で炊いたこともなかったという。だが今回の苦境に立ち向かい、「ご飯を炊けるようになったし、いろいろな料理ができるようになりました」と、控えめながら『手応え』を語る。
リーグ戦再開が近づくが、リスタート後もしばらくはサッカーでもリモートマッチなど、新しい様式の日々となる。異国でのこれまでと違う日々に、「やはりお客さんがいたほうが力になるんじゃないかと思う。少しでも早くお客さんが入れるようになったらいいと思っている」と、かつての日常が戻ることを祈っている。
中断期間に入ってから、再開も当初の見込みより遅れることとなった。だが「日程が変わるたびに、再開への準備の心構えをして、サッカーへの情熱を忘れずに準備してきたつもり」とチョン・ソンリョン。ぶれることなく、リスタートの準備を進めてきた。
緊急事態宣言が解除され、徐々に以前の生活が戻りつつある。「また、みんなで焼肉に行ける日が待ち遠しいですね」。みんなで喜び合えるように、まずは7月4日、鹿島アントラーズとの再開初戦で勝利を目指す。
取材◎杉山孝