1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第11回は、異色のボランチ出身得点王、ウェズレイを取り上げる。
上写真=重量感あふれるプレーでコンスタントに得点を重ねたウェズレイ(写真◎J.LEAGUE)
コンスタントに得点を重ねる
ウェズレイが名古屋グランパスエイトに加入したのは、2000年の2ndステージ途中。加入後2試合目でJリーグ初ゴールを決めるなど当初から活躍し、このステージでは9試合に出場して7得点を記録した。
だが母国ブラジルでのポジションは、サッカーマガジン2020年5月号のインタビューで本人も語っているように、来日2年前までボランチだった。それでも1年目からブラジルの州リーグや全国選手権2部の得点王に輝いたというから、すぐにストライカーとして頭角を現したことになる。
177センチ・89キロの体は見るからに頑強で、豪快なミドルや、相手をはじき飛ばすようなドリブル突破からのシュートで力強くネットを揺らし、大柄ではないがヘディングも強かった。来日2年目以降も名古屋でコンスタントに得点を重ね、01年は28試合出場・21得点、02年は27試合出場・20得点。得点王こそならなかったものの、2年連続で20得点以上を挙げる活躍を見せ、「ピチブー(猛犬)」のニックネームでファン・サポーターに愛された。