浦和レッズのFWレオナルドが、8月15日のサンフレッチェ広島戦で勝利に導く決勝点を挙げた。鳥取時代に対戦したときは無得点に封じられたが、その後のキャリアアップを証明する2年越しのゴールだった。

上写真=鳥取と広島は2018年の天皇杯2回戦で対戦。レオナルドはシュート2本を放つも無得点に終わった(写真◎石倉利英)

ベストメンバーの広島に敗れる

 8月15日の明治安田生命J1リーグ第10節。サンフレッチェ広島と対戦した浦和レッズのFWレオナルドが、開始5分にPKで先制点を決める映像をチェックしながら、「ついに広島戦で決めたんだなあ」と2年前のことを思い出していた。

 ブラジルのサントスから2018年にガイナーレ鳥取に加入したレオナルドは、J3リーグで開幕から5試合連続ゴールを決める高い得点力を発揮。1年目から攻撃の軸となっていた。

 そんな中、鳥取は6月6日の天皇杯2回戦でサンフレッチェ広島と対戦する。天皇杯の大会序盤は、上のカテゴリーのクラブがリーグ戦以外のメンバーで臨むことも多いが、広島はロシア・ワールドカップによる中断を控えてリーグ戦への影響がなかったため、ほぼベストの顔ぶれだった。
 
 鳥取は当時、試合2日前に森岡隆三監督が解任され、須藤大輔新監督の就任初戦という混乱期。それでも鳥取のスタッフはレオナルドの野心をくすぐり、「ここで活躍すれば、J2やJ1のクラブから注目されるぞ」とハッパをかけた。奮起したレオナルドは懸命にゴールを目指したが、チーム力の差はいかんともしがたく、レオナルドもフル出場でシュート2本を放ったものの、0-2の完封負けを喫した。

 鳥取では最終的にJ3リーグ32試合中31試合に出場し、24得点を挙げて得点王になった。得点だけでなく警告も多かったレオナルドは、第7節で早くも累積4回で1試合の出場停止。シーズン半ばにも3試合連続で警告を受け、あと15試合も残っているのに累積7回となった。あと1回で今度は2試合の出場停止となるため、前線で激しい守備ができず、得点に専念する形になったこともゴール量産を後押ししたと言えるが、それでも本人の高い能力がなければ、個人タイトル獲得はなかっただろう。

 昨季はアルビレックス新潟でJ2リーグ42試合中38試合に出場して28得点を記録し、再び得点王に。今季は自らを日本に呼び寄せた鳥取の岡野雅行・取締役ゼネラルマネジャーの古巣であるJ1の浦和にステップアップした。1-0勝利の決勝点となった広島戦のゴールで4試合連続、第10節まで9試合に出場してチーム最多、リーグ2位の7得点。警告もまだ1回で、このままいけばJ3→J2→J1の3年連続得点王も十分に可能性がありそうだ。

 そういえば2年前、ロシア・ワールドカップの開幕前に、ブラジル代表FWネイマールの古巣がサントスであることから想像して「あなたのアイドルは、やっぱりネイマール?」と聞いたことがある。返ってきたのは「いや、俺はヨーロッパのストライカーが好みなんだ。いま好きなのはロベルト・レバンドフスキ」という意外な答えだった。

 レバンドフスキは2010年、22歳のシーズンに母国ポーランドからドイツのドルトムントに移籍し、いまや世界最高のストライカーの一人となった。まだ23歳のレオナルドも、鳥取からヨーロッパ、世界へとステップアップしていくのだろうか。

文・写真◎石倉利英


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