■2018年4月28日 J1リーグ第11節
 浦和 0-1 湘南
 得点者:(湘)石川俊輝

湘南が逃げ切り、2連勝。序盤から鋭い速攻でチャンスをつくる。30分にはハイプレスがはまり、こぼれ球から一気にゴールへ。山根視来がミキッチへつなぐと、右からのクロスを石川俊輝が落ち着いてゴールネットへ流し込んだ。後半は押し込まれる時間が続いたものの、粘り強い守備で無失点に抑えた。浦和戦の勝利は97年以来、21年ぶりとなった。浦和はオリヴェイラ新体制になり2連敗。攻守の歯車が噛み合わなかった。

「色んな選手と戦えるのが楽しくて」

センターバックは経験が物を言うポジション――。そんな言葉をよく耳にするが、こと湘南の曺貴裁監督に常識など通用しない。

山根は24歳。
坂佳祐は22歳。
杉岡大暉は19歳。

浦和を無失点に抑えた3バックの平均年齢は21.7歳だった。

2試合連続のクリーンシート。文句の付けようがない。先制点のきっかけもつくった山根の顔は、自信にあふれていた。

「押し込まれていても、やられる気がしなかった。(3人で)真ん中でどっしり構えていれば、そんな簡単には失点しない」

サイドからクロスを放り込まれるのは折り込み済み。3バックでマークの確認を何度も行ない、ピンチをことごとくしのいだ。シュートブロックの対応もほぼ完璧だったと言っていい。「ゴール前で体を張れた。1センチ、2センチでも相手に体を寄せて、最後までしぶとく戦えた。湘南らしさが出せたと思う」。

湘南のフィールプレーヤーで唯一、リーグ戦全試合にフル出場する男の言葉には説得力がある。

肉体の疲労は気迫でカバー。体力は底なし。3バックとはいえ、浦和戦の山根の走行距離は10.306キロ。湘南の3バックは、前に後ろにとにかく走る。それでも、いまは充実感しかないようだ。

「毎回、いろんな選手たちと戦えるのが楽しくて」 

横浜桐蔭大出身のプロ3年目。昨季、J2で大きく成長し、今季は自身初となるJ1の舞台で躍動している。主力としての責任感も出てきた。

「後ろの選手だし、チームを引っ張っていきたい。毎回、命がけで戦っている」

ディフェンスリーダーの風格すら出てきた。ドリブルが得意なアタッカーとして加入して3年目。随分と役割は変わったものの、その守備力に疑いの余地はない。この日もJ1トップレベルのFWを封じ込め、「自信になる」と胸を張った。

取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE PHOTOS


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