旗手怜央が堂々の東京オリンピックメンバー入りだ。6月22日に森保一監督が選んだ18人にDF登録として加わった。川崎フロンターレで左サイドバックでもプレーした実績が買われた格好だ。AFCチャンピオンズリーグに参戦するウズベキスタンからオンラインで取材に応じ、攻守に自分自身を表現することを誓った。

上写真=本来FWの旗手怜央はDF登録でメンバー入り。複数ポジションをこなす頼もしい存在だ(写真◎JMPA増田泰久)

「自分からどんどん聞きに行く性格なので」

 東京オリンピックに挑む18人のメンバーの一人になった旗手怜央は、登録はDFになった。川崎フロンターレではFWとして登録されているが、昨季終盤から今季序盤にかけて鬼木達監督に左サイドバックにコンバートされて、独特の攻撃の感性を生かした新しいサイドバック像を作り上げてみせた。それが生きた。

「そのポジションをやらなかったら、今回メンバーに入っていなかったかもしれないと思います。その経験があったからこそ、サイドバックでプレーしても前目のポジションでプレーしても、違った観点で見ることが多くなりました。サイドバックをやってからまた一つ自信につながりましたし、成長につながったので、すごく感謝しています」

 鬼木監督への思いを口にした。

 U-24日本代表でも6月12日のジャマイカ戦で左サイドバックとして先発して生き生きとプレー、メンバー入りに大きく近づいていった。もちろん、これまで通りに攻撃なポジションも主戦場。複数の役割を高いレベルでこなすことの重要性を体現した。

「前でも後ろでも、ゴールに向かうプレーは自分自身に求めていることですし、森保監督も求めていることだと思います。ゴールに向かうプレー、攻撃のところは出していきたいですし、サイドバックで出たときには特に失点しないことも大事です。だから、サッカーの醍醐味である、ゴールを取る、ゴールを守るということを僕自身がしっかりピッチで表現したいと思います」

 それはまさに、旗手にしかできないプレーだ。自分が自分であることの強みを、東京オリンピックの舞台でまっすぐに描くだけだ。

 攻撃面では、ジャマイカ戦で左サイドハーフの三笘薫との川崎Fコンビの軽やかさを見せたし、久保建英との感覚も合って、大いなる可能性を抱かせた。

「練習中からすごくコミュニケーションを取ることが多いですし、分からないことがあれば自分からどんどん聞きに行く性格なので、いろいろな選手と細かいところまで話ができています」

 どんどん周りを巻き込んでいく陽性のキャラクターは、オリンピックという大舞台でチームを団結させるために期待される、旗手の「もう一つのポジション」なのかもしれない。


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