上写真=試合前日、公式会見に出席したクライファート監督とMFジェイ・ペルぺシー(写真◎舩木渉)
4次予選進出が決まっているインドネシア
日本国内では「最終予選」という呼称が定着してしまっているが、正式名称は「3次予選」。各グループの3位と4位の国は、10月に予定されている「4次予選」へと進む。
2グループに分かれる4次予選で各組1位になると、晴れてW杯本大会出場権を獲得できるのだ。もし各組2位なら11月の「5次予選」に進み、勝者は来年3月の大陸間プレーオフにW杯行きの望みをつなぐことができる。
インドネシア代表は6月5日に行われた中国代表戦に勝利し、他会場の結果なども踏まえたうえで3次予選グループCの4位以内が確定した。すなわち悲願のW杯出場へ一歩前進したということだ。
「4次予選進出という快挙によって、インドネシアの歴史を塗り替えることができたと思いますし、国として新たな歴史を作るんだというモチベーションは続いています。そこにチームの一員として関われていることを本当にうれしく思います」
6月7日の練習後に話を聞くと、ウォルシュはチームメイトたちの奮闘によって新たな扉が開いたことを素直に喜んでいた。これまでインドネシア代表の常連メンバーだったが、今回は5月下旬に足首を痛めた影響で代表招集を辞退することになった。すでにマリノスの全体練習には合流しているものの、完全な状態ではないため日本代表戦に向けた活動への参加も見送っている。
ウォルシュは代表辞退という決断を下すにあたって、パトリック・クライファート監督と相談したうえで「ほとんどのインドネシア代表選手はシーズンが終わっていますけど、まだマリノスでのシーズンが長いということで、体のことを考えてもらった」とチーム側からの配慮があったことを明かした。
「今回はインドネシア代表での2試合に参加せずケガをしっかり治してコンディションを上げていく方がいいという決断に至りました。代表のことはマリノスにいても当然応援しています。ただ、まずは自分の怪我をしっかりと治して、コンディションを上げていくことにフォーカスしていきます」
インドネシア代表では1月に監督交代があった。昨年11月に行われたジャカルタでの日本代表戦の際にチームを率いていたシン・テヨン監督が解任となり、パトリック・クライファート監督が就任。オランダ代表のレジェンドストライカーだった新指揮官のもとで初めての活動となった3月シリーズでは、1戦目でオーストラリア代表に1-5と大敗したものの、2戦目でバーレーン代表に1-0で勝利。この1勝がのちに4次予選進出への鍵となった。