サッカー日本代表は10日、アジア最終予選第10節でインドネシア代表と対戦する(19時35分開始/@市立吹田サッカースタジアム)。前節の中国代表戦に勝利し、グループCの4位以内を確定させたインドネシア代表はどのようなチームなのか。独立後初のワールドカップ(W杯)出場を目指すチームの現状について、横浜F・マリノスに所属する現役インドネシア代表DFサンディ・ウォルシュに聞いた。

クライファート監督のチームづくりとは?

画像: 横浜F・マリノスに所属する現役インドネシア代表DFサンディ・ウォルシュ(写真◎舩木渉)

横浜F・マリノスに所属する現役インドネシア代表DFサンディ・ウォルシュ(写真◎舩木渉)

 では、クライファート監督はどのような特徴を持った指導者なのだろうか。間近で仕事ぶりを見てきたウォルシュは「サッカーのところに関してはしっかりとしたプレースタイルを持っていて、的確な戦術を正しい計画に基づいてチームに落とし込もうと努力している監督」との印象を語り、次のように続けた。

「的確な戦術を正しい計画に基づいてチームに落とし込もうと努力している監督です。また、コミュニケーション能力も高く、選手たちを惹きつける非常に優秀なモチベーターでもあると思います。みなさんご存知の通り彼はレジェンドですし、豊富な国際経験からたくさんのことを教えてくれます。僕たちにとっては非常に貴重な学びが多くありますね」

 クライファート監督はアンジェ・ポステコグルーやルイ・ファン・ハール、クラレンス・セードルフのアシスタントコーチを務めたが、トップレベルでの監督経験はほとんどなく、指導者としての実績は乏しい。それでも現役時代はアヤックスやミラン、バルセロナなどで活躍し、UEFAチャンピオンズリーグ優勝も経験。オランダ代表でも79試合出場40得点を記録し、ロビン・ファン・ペルシに抜かれる2013年まで歴代最多得点者として君臨するなどレジェンドに相応しいキャリアを送ってきた。

 インドネシア代表でのチームづくりでは、前体制で築かれた基盤を活用して継続路線を打ち出している。基本システムは3-4-2-1で昨年までと変わらず、旧宗主国オランダ育ちの帰化選手たちが持つ高い個人能力をうまく掛け合わせて最大化しようとする試みも続いている。

 中国代表戦のように5-4-1で構えて守備に回る時間が多くなることもあるが、ボールを奪えばしっかりとパスをつないで攻撃を組み立てようとする意思は見える。決してロングボールだけに頼るチームではない。ウォルシュはクライファート体制での戦い方について、次のように説明する。

「戦い方としては、中国戦でもそうでしたけど、まず後ろからボールを大事にして、いいポジションを取って、ライン間のスペースを使って前進していきます。ウィングバックも高い位置を取って、走力を生かして背後に抜けていくようなプレースタイルを目指しています。日本サッカーのスタイルよりシンプルかもしれませんが、特にアジアでの戦いを意識してこうした戦術になっているのだと思います」

 チームづくりの方針に関しては、6月9日に行われた前日記者会見の中でも言及があった。クライファート監督は「私が監督に就いた時、インドネシア代表にはすでにシステムが構築されていた」と述べ、こう続ける。

「そのシステムは自分が監督として最初に選ぶものではないかもしれないですが、自分が来る前に出来上がっていたので、私自身がそれに適応していこうというオープンな考え方でチームづくりを始めました。

これまで数試合戦ってきて、明日は日本代表との試合があるわけですけど、即座にシステムを変える必要性は感じていません。オランダ代表で(ファン・ハール監督の)アシスタントコーチだった時に同じ形を採用していたので、このシステム(3-4-2-1)についてはよく知っています」


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