日本代表は北中米ワールドカップアジア最終予選のラストマッチとなる6月10日のインドネシア戦に向けて、大阪府内でトレーニング。5日のオーストラリア戦でまさかの最終予選初の黒星を喫したが、初代表となった佐藤龍之介がそのフレッシュさで重い空気を吹き飛ばす。

上写真=佐藤龍之介はトレーニングで十分に手応えを感じている(写真◎サッカーマガジン)

「オーラ」を出して

 積極性をもっと出してほしい。

 初めて日本代表のメンバーに選ばれた佐藤龍之介は、森保一監督にそう求められたのだという。

 トレーニングでも先頭を走っていて、さっそくその意欲を示している…かというとそうではなく、「昨シーズンのFC東京でも今年の岡山でも自分のクセで前のほうに行ってしまうので、特別に見せようとしているわけでもない」のだそう。それでも、171センチのアタッカーが前に前に進んでいく姿は、日本代表の新しいパワーを印象付ける。

 6月5日のオーストラリア戦はベンチ外。FC東京でともに戦った長友佑都とともに試合を見つめていたという。

「選手の一員として来たので、自分が入ったイメージはしていました」

 そのために、トレーニングセッションを一つも無駄にするつもりはない。

「メンバーに入ったら、やっぱり『自分を出せ』というオーラをいまも練習から出していきたいと思います。もし出場機会があったら何も失うことはないと思うので、ゴールを狙っていきたいなと思いますし、自分が出たことによって、いろいろな方が良かったなと思えるようなプレーをしたいと思います」

 2006年10月16日生まれで、出場すれば18歳237日。19歳212日の香川真司を超えて最終予選の最年少出場になる。

「正直、予選突破が決まっている状況じゃなかったら招集もなかった可能性もありますけど、自分としてはそういう記録もあとからついてくればいいかなと思ってますし、まずは出場したい」

 ゴールを決めれば、19歳119日の金田喜稔氏を超える史上最年少記録。 

「取れるものは取りたいなと思います」

 出場にもゴールにも貪欲だ。その真っ直ぐさと高い技術で、FC東京から育成型期限付き移籍したファジアーノ岡山で右ウイングバックのポジションを手に入れて、リーグ戦14試合出場4ゴール。チームトップの得点を挙げて、クラブ初のJ1で躍動しての代表入りだ。

 年代別代表では「常連」だが、このフル代表はやはり「見ているだけで緊張しました」と刺激的。トレーニングでは「手応えも感じる」と自信をのぞかせ、「積極的にやることで自分のプレーが出ている印象もあるので、あとはスタジアムという舞台に変わったところでしっかり出せればいい」とも。

「最年少」という貴重な肩書を得て、日本代表の歴史に名を刻むチャレンジが始まる。


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