サッカー日本代表は5日、北中米ワールドカップ・アジア最終予選第9節のオーストラリア戦に臨んだ。大幅にメンバーを替えたチームはボールを握って攻め続ける展開を作ったものの、守備に軸足を置く相手を攻めあぐねて、土壇場で失点。予選初黒星を喫した。

上写真=序盤からボールを握り、優位に試合を進めた日本だったが、最後に失点し、悔しい敗戦となった(写真◎Getty Images)

■2025年6月5日 アジア最終予選9節(観衆57,226人/@パース)
オーストラリア 1−0 日本

攻めても攻めてもネットは揺れず

 日本は驚きのメンバー構成で、この一戦に臨んだ。代表デビュー戦となる3人を先発に起用。右ウイングバックに平河、左ウイングに俵積田、右CBに関根を配した。

 前半は日本がゲームを支配した。敵陣でプレーする時間が長く、ボールポゼッションは70%対30%。パス数も348本対131本と大きく上回り、シュート数も8対2と優位に試合を進めた。

 しかし、町田が縦パスを通し、鈴木唯が狙った28分のプレーや平河の2本のミドルシュート、俵積田から鎌田につないでボックス内からシュートを放った43分のプレーなど惜しいシーンはあったものの、5バックで引いて守る相手を攻めあぐねた。

 前半は0−0で終了。日本は後半開始から町田に代えて瀬古を投入。前半の早い段階で町田は相手と接触し、倒れる場面があったことが原因と思われる。一方、オーストラリアもシャドーとボランチを1人ずつ交代し、テコ入れを図った。

 大声援をバックに前半よりも攻めの姿勢を強めたオーストラリアに対し、日本は冷静に対応。ボールを動かしながら穴を探していった。49分にGK谷のパスミスからピンチを迎えたが、渡辺がゴール前で粘ってクリア。こぼれ球をベヒッチに拾われてシュートを許すも枠を外れて事なきを得た。

 64分、日本は俵積田に代えて中村、佐野海舟に代えて久保を投入。久保が右シャドー、鈴木唯が左シャドー、左シャドーだった鎌田がボランチに下がった。

 さらに70分、直前に相手が2枚替えしたことに対抗するように、日本も再び2枚替えを実施。渡辺に代えて高井、大橋に代えて町野をピッチに送り、スコアを動かしにかかった。

 直後から左WBの中村が緩急をつけたドリブルで左サイドからチャンスメークし始めたものの、周囲との連係がままならず、十分な体勢でシュートに持ち込むことができない。80分には久保が相手のクリアを拾って仕掛け、ボックス内からシュートを放ったが、わずかに枠を逸れてしまう。

 試合は0−0のまま90分を迎えたが、日本にとっては悪夢の展開が待っていた。

 日本の左サイドの相手スローインの流れからだった。ゲリアからボックス手前のマクグリーにボールを入れられると、瀬古が入れ替わられて中央へ折り返される。走り込んだベヒッチにシュートを許し、失点。見事なシュートだったが、ボックス内に人数はそろっており、決して防げない失点ではなかった。

 終始守備的に戦い、1点をもぎ取るというオーストラリアの狙いにまんまとハマった。2次予選から無敗を続けてきた日本にとっては北中米W杯予選、初黒星。大幅にメンバーを替えて臨んだ試合であったものの、連係面や球際の粘りなど、コアメンバーで構成するチームがとの差が出た試合となった。

▼出場メンバー
・日本◎GK谷晃生、DF関根大輝、渡辺剛(70分:高井幸大)、町田浩樹(46分:瀬古歩夢)、MF平河悠、佐野海舟(64分:久保建英)、藤田譲瑠チマ、俵積田晃太(64分:中村敬斗)、鈴木唯人、鎌田大地、FW大橋祐紀(70分:町野修斗)


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