日本代表は25日、アジア最終予選第8節でサウジアラビア代表と対戦する(19時35分開始/@埼玉スタジアム)。前回対戦は敵地で2−0を快勝しているが、監督が交代し、スタイルについてはわからないところも多い。そんな相手を下し、日本は3月シリーズを連勝で終えられるか。ここでは対戦相手サウジアラビアの特徴を整理する。

上写真=20日に行われた中国戦は1−0でサウジアラビアが勝利を収めている(写真◎Getty Images)

若手や初招集が多いメンバー構成

 サウジアラビア代表にとって、3月24日に行われる日本代表との一戦は極めて重要な90分間となる。

 北中米W杯アジア最終予選のグループCで3試合を残して現在3位。自動的にW杯本大会への出場権を手にできる2位まで1ポイント差で、日本に勝てばオーストラリアとの順位が入れ替わる可能性もある。

 さらに6月シリーズにはオーストラリアとの直接対決も残っているため、最後の最後まで望みをつなぐには日本戦で勝ち点3をもぎ取っておきたい。エルヴェ・ルナール監督は「2位に跳び上がるのはかなり厳しいと思っている」と現実を見つめながらも、諦めることなく戦い続けることの必要性を説いていた。

 ただ、サウジアラビア代表にとって状況は芳しくない。昨年10月シリーズの直後にロベルト・マンチーニ監督が解任となり、約1年7ヶ月ぶりにルナール監督が復帰。その監督交代直後の11月はインドネシア代表に敗れ、年末にクウェートで開催された中東の伝統ある国際大会「ガルフカップ」でタイトル獲得を逃した。

 とりわけ数的優位の時間が長かったにもかかわらずオマーンに敗れた準決勝の不甲斐ないパフォーマンスが批判の的となった。2失点目はスローインの流れからだったが、守備陣は完全に集中を欠き、あっさりマークを外されるなど緩慢なプレーが目立ってしまっていた。

 W杯アジア最終予選でも苦戦が続く。得点数はグループCで最も少なく、最下位の中国をも下回っている現状には国内のファンやメディアから厳しい目が向けられている。

 そんな中で代表候補となる選手たちに離脱が相次いだ。長年チームを支えてきたアリ・アル・ブライヒやスルタン・アル・ガンナム、『サウジのマルセロ』ことヤセル・アル・シャハラニなど経験豊富な選手たちが負傷に見舞われ、昨年11月にアジア最終予選を戦ったメンバーの約半分が招集外に。陣容の大幅な刷新が必要になり、若手や初招集の選手が多い編成で3月シリーズに臨んでいる。

 さらに追い打ちをかけるように、3月20日に行われた中国戦でも新たな負傷者が発生してしまった。前半終了間際、ハッサン・カデシュの頭部に相手選手の高く挙げた足が直撃。裂傷を負った頭から大量の血を流していた同選手は、そのまま病院に搬送されて最終的に日本遠征に参加しないこととなった。

 後半開始直後に決勝点をアシストしたサウード・アブドゥルハミドは、それから5分も経たないうちに左太ももを痛めて交代に。試合後に所属元のローマへ戻ることが発表され、数少ない欧州組の実力派右サイドバックを日本戦に起用できない。所属クラブで絶好調だったモハメド・カンノも合宿序盤に太ももを痛めて中国戦に出場できず、そのまま戦線離脱。今回の招集メンバーの中でも貴重な経験を持つ選手たちが次々にいなくなる事態となっている。


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