上写真=17日、中国・厦門でトレーニングする伊東純也(写真◎佐藤景)
アウトサイドとシャドーでプレーする意味
インドネシア戦で三笘薫に代わって62分から登場した伊東純也は右アウトサイドでも左アウトサイドでもなく、右シャドーとしてプレーした。前回シリーズのオーストラリア戦では、三笘が左シャドーに入り、中村敬斗が左アウトサイドに入ってドリブラーの共演が話題になったが、今回も『右サイドのスペシャリスト』が共演することになったわけだ。
17日に中国・厦門で行われた初練習のあと、取材に応じた伊東はシャドーでプレーすることについて「シャドーで(試合に)出てたときはよりゴールに近いんで、ゴールを取れるような動きをしたいなと思います。前を向けたら前を向けたで、勝負を仕掛けられればいい」と、その役割について話した。
インドネシア戦の69分に決まった菅原のゴールは、伊東のお膳立てが効いていた。右サイドで菅原からのパスを引き取り、タイミングよくリリース。ワンツーを見事に成立させ、相手最終ライン裏への抜け出しをサポートすると、ニアサイドを射抜く菅原の豪快なゴールにつなげた。
「ボールを結構、保持できるタイミングになったときにサイドに開いて、ユキ(菅原)に中に入ってもらってという形をしようと思ったら時間的にできなかった感じでした。でも中にいるときとサイドにいるときで、サイドにいる方がたぶん良さが出るので、ああいう入れ替わりはしてもいいと思います」
意図を持った攻撃の形から生まれたゴールだったと改めて説明した。
17日のサイド攻撃練習では、左シャドーの位置に南野拓実、鎌田大地、旗手怜央、三笘薫、中村敬斗、藤田譲瑠チマが入り、右シャドーには久保建英、伊東純也、堂安律、南野、旗手、田中碧が入った。アウトサイドやボランチを主戦場とするメンバーが『シャドー』のポジションで攻撃に絡むことで、ピッチ上でのスムーズなポジションチェンジや、3−4−2−1から4−3−3や4−2−3−1へフォーメーションを変更した際のプレーも、想定していたと思われる。
相手守備陣に的を絞らせない攻撃の構築を練習からしっかり準備していた。伊東や三笘、中村、堂安らはすでにその役割を担う存在となっていると言っていいだろう。
「縦に行けたら行きますけど、別にそれだけじゃないので、うまくそのとき、そのときでいいものを選べればいい」
伊東と菅原、あるいは堂安との関係性が深まれば深まるほど、攻撃のバリエーションが増え、厚みも増す。
「誰が出てもコンビネーションは、できると思います」
外はもちろん、内でも生きる。中国戦へ向け、伊東は自信を持って言い切った。