谷口彰悟は9月に行われた北中米ワールドカップ・アジア最終予選2試合、中国戦とバーレーン戦に先発し、高いパフォーマンスを披露した。3バックの中央でプレーし、攻守両面でチームの勝利に貢献。33歳のベテランは自身とチームのためにさらなる成長を誓っている。

上写真=9月シリーズの2試合に先発フル出場した谷口彰悟(写真◎Getty Images)

ベルギーで、またここから挑戦

 中国戦、バーレーン戦と3バックの中央でフル出場を果たした。右の板倉滉、左の町田浩樹と連係を取り、危なげない守備を実践。無失点勝利に貢献するとともに、攻撃面でも気の利いた配球で大量得点のベースを築いた。

「今回の2連戦をしっかり連勝でスタートできたのは、すごくチームにとってポジティブなことだと思います。移動距離とバーレーンの気候も含めて、決して簡単な試合ではないとみんな思っていましたが、タフな戦いの中、結果、としてこうやってしっかり差をつけることができました。チームとして狙っていることだったり、しっかりボールを動かしながら、どういうところが空いて、どういうところを狙っていこうというような共通認識を持てた結果、得点をたくさん取れました」

 日本はグループC唯一の連勝を飾り、早くも単独首位に立った。谷口は最高のスタートに大きく貢献した一人だ。

 この夏にカタールのアル・ラーヤンからベルギーのシント=トロイデンVVに移籍。本人いわく「色々と大変だった」8月の移籍を経て、「なかなかコンディションが上がり切らなかったんですけど、この代表にはしっかり上げて参加することができたし、国が変わってまたサッカーも変わるし、そういった中で自分がどういうふうな存在感を出していけるのかは、またここから挑戦だなと感じています」。

 谷口は新天地において第3節のアントワープ戦から先発し、4試合を経験して代表活動に参加した。しかし、その4試合は3分け1敗。チームは開幕から未勝利が続いており、DFとして流れを変えられなかった責任を感じてもいる。さらに今回の代表活動期間に、今夏に就任したクリスティアン・ラタンツィオ監督が更迭された(契約解除)。谷口自身もSNSで知ったという解任劇。今後はフェリス・マズー新監督のもとで、その力を改めて証明する必要がある。その先にある北中米ワールドカップを見据えながら。

「自分の中でも、3枚の真ん中というところで自分の強みというか、そういったものをより出せそうだなという感覚はあったし、実際この2連戦でそういう手応えも感じています。ただもっともっとここから厳しい戦いが続いていく中で、相手もアップデートしてくるだろうし、自分たちもアップデートしていかないと、同じことばっかりやってても対策されると思うので」

 さらに谷口自身が成長することで、代表の成長にもつながると考えている。だからこそ、自分をもっともっと高めたいという。

「相手を見ながらというか、自分たちがいいポジションからスタートできるとか、相手がどういうふうにプレッシャーをかけてきているとか、そういったものを真ん中である自分がしっかり判断してボールを動かしたい。プレッシャーのかけ方もそうだし、どれぐらいためをつくるのか、どれぐらいテンポを出すのかとか、その辺はやっぱり真ん中の選手が大事だなと、試合をやりながらも感じていました。僕自身がもっともっとレベルアップすると、チームもレベルアップしていける。そう感じるポジションなので、どんどん成長していきたいと思います」

 今年33歳。2026年夏に開催される北中米W杯の期間中に、35歳の誕生日を迎える。今回のシリーズでは長友佑都につぐベテランで、試合に出場した選手の中では最年長。ここから先は一戦一戦が勝負になることを理解している。

「自チームの1試合もすごく大事だし、代表活動の1試合もすごく大事になる。本当に自分ができることを全てをかけていかないといけない。ワールドカップに向けて残り2年間ぐらいですが、自分の全てを常に出しながら成長しながらやっていく。ベテランだからこそ、1日1日の重みがやっぱり変わってくると思うし、無駄のないように充実した日々を過ごしていきたいです」

 代表の3バックの中央というポジションに、新たなやり甲斐と自身とチームの可能性を見出した谷口。大いなる覚悟を持って、W杯へ続く道を一歩一歩、進むつもりだ。

取材◎佐藤景


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