上写真=気温30度超え、湿度は80パーセント以上という厳しい環境でトレーニングする旗手怜央(写真◎佐藤景)
メンバーを決めるのは監督
7−0で大勝した5日の中国戦。メンバー外だった旗手はスタンドから試合を見つめることになった。
攻撃陣がゴールを重ねた戦いぶりについて問うと、「環境だったり相手も変わってくるんで状況は変わると思うんすけど、シンプルに見て強いなっていう印象を持ちました」と率直な感想を口にした。
「得点が7点も入る試合はなかなかないと思うので、まずそこですし、攻撃の部分でクオリティーが高い選手がたくさんいるので、そういう選手たちが自信を持ってプレーしていた。それがゲームにしっかりと表現されてるのをすごく感じて、戦術が云々じゃなくてそういうところはやっぱりすごいなと思います」
旗手の言う通り、日本の攻撃陣は躍動。その勢いを駆って次戦のバーレーン戦に臨みたいところだ。今年1月のアジアカップで対戦した際には、旗手は左インサイドハーフで出場。負傷により前半35分に交代を余儀なくされた。
「(最終予選初戦の)オーストラリア戦の映像は、しっかり見ていて、中盤の選手ですごく個人の質の高い選手がいますし、ロングボールを拾ってくるって印象もあります。でもどこか守備のところでスキがあるというか、そういう印象を持っています。やっぱり攻撃も大事ですけど、守備から入ることをまずはやって、それプラス攻撃の部分で前回みたいに一人ひとりの良さが出てきたら、いい展開になるんじゃないかなと思う」
万全の状態で臨める今回のバーレーン戦。攻略のイメージをしっかり持っている。
前節の結果からも明らかなように、バーレーンは中国よりもレベルは上だろう。相手のレベルが上がり、拮抗した展開になったとき、スペースを見つけてボールを引き出し、周囲と連動しながら攻撃をスムーズに「回す」ことのできる旗手の存在は貴重だ。所属するセルティックのプレーと好調ぶりを見てもそれは明らか。
好調であるがゆえに中国戦で出場機会がなかったことについては当然、悔しさを感じているはずだが、旗手は代表における自身の現状を冷静に見つめていた。
「終わってしまったことなんで仕方ないですけど、(メンバーを)外れたのは実力のなさだと思っていますし、実力が伴っていればしっかり試合にも出られるし、メンバーに入れると思うんで、実力のなさが生んだ結果だなと思っています。そこにはしっかり(意識を)向けて自分自身やらないといけない」
「やっぱりメンバーを決めるのは監督ですし、監督の戦術に合うか合わないかの話なので。いくら自分だったり外の人に、気が利く選手が出た方がいいという意見があったとしても、結局選ぶのは監督なので、気が利くプラス、何かが僕としては付いてくれば、もっともっと良くなるんじゃないかと思う。そこは意識してやっていきたい」
今の自分にプラスアルファをすることで代表におけるプライオリティが高まると旗手は話した。
前述のアジアカップでは3戦目のインドネシア戦に先発すると、それまで低調だった日本の攻撃を活性化し、劇的に変えてみせた。そんな旗手が今以上に向上したら、どうなるか。
それは、そのまま日本代表の向上にもつながるはずだ。
取材◎佐藤景