アジアカップ・準決勝が7日に行われ、イランとカタールが対戦。中東最強国と前回王者であり、今大会の開催国の対戦は白熱のシーソーゲームの末、カタールが勝利を飾った。カタールは大会連覇をかけて、10日、初の決勝進出を果たしたヨルダンと対戦する。

上写真=2大会連続で決勝進出を決めたカタールの選手たち(写真◎AFC)

熱狂のシーソーゲーム!

 シーソーゲームを制したのは開催国のカタールだった。地力を示し、日本を破ったイランのアズムンがアクロバティックなゴールで4分に先制。だが、カタールも17分、ジャッセム・ガベルのシュートが味方に当たり、コースが変わってそのままゴールイン。すぐ同点に追いついた。

 この同点弾が決まったときの場内の歓声は凄まじく、熱狂の結末への導火線になる。43分、アクラム・アフィーフが右45度から華麗なコントロールショットを決めてカタールが2−1と逆転に成功。

 しかし後半早々、イランもその力を示す。51分にPKをアリレザ・ジャハンアフシュが決め、2−2と試合を振り出しに戻した。

 互いに譲らぬ白熱の攻防が繰り広げられる中、勝負を決める次の1点をスコアしたのはアルモエズ・アリだった。5年前のアジアカップ決勝で日本を苦しめたカタールのFWだ。

 82分、自陣からのクリアをアフィフが拾って左サイドからクロスを供給。これはイランのCBショジャー・ハリルザデーに跳ね返されたが、ボックスと外でアブドルアズィーズ・ハーティムがボールを拾って左足を振り抜く。シュート自体はやや弱く、コースも甘かったが、かえってそれが良かったのかもしれない。相手のディフェンスライン上で待っていたアルモエズ・アリの足元にピタリ。意図したプレーとは思えなかったが、結果的に相手の虚を突く形にもなり、カタールが勝ち越しゴールをつかみ取った。

 一瞬、オフサイドにも見えたが、イランの右サイドバック、ラミン・レザイーアンが右端で残っており、アリはオンサイド。得点が認められると、スタジアムは大歓声に包まれた。

 試合はそのままカタールが3−2で勝ち切った。決して前評判が高かったわけではない前回王者が、開催国のファン・サポーターの後押しというアドバンテージを生かして決勝進出(試合は10日)。大会連覇をて懸けて、決勝初進出のヨルダンと対戦することになった。


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