日本代表DF吉田麻也が、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選最終戦のベトナム戦にフル出場。1-1の引き分けに終わり、勝利で締めくくれなかったものの、試合後は前向きに今後を見据えている。

上写真=ホームでの予選最終戦でフル出場し、同点ゴールも決めた吉田(写真◎JMPA小山真司)

■2022年3月29日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選・B組第10節(@埼玉スタジアム/観衆44,600人)
日本 1-1 ベトナム
得点:(日)吉田麻也
   (ベ)グエン・タイン・ビン

同点ゴールも実らず

 試合終了のホイッスルが鳴ると、その場にしゃがみ込み、しばらく顔を上げることができなかった。前回のオーストラリア戦でW杯出場を決めてホームに戻ってきた日本は、ホームでグループ最下位のベトナムと引き分け。首位通過を決めることができず、吉田は「もちろん勝って終わりたかった」と悔しそうに語った。

 先発を大幅に入れ替えて臨んだ日本は、攻撃で良い形を作れないうちに、19分にCKから失点。吉田が「メンバーを大幅に変えたので、ちぐはぐ感が出ることも予想していた。そこも含めて、今日はチャレンジの試合と位置付けてやったのですが、失点してから得点を奪うまでに時間がかかってしまった」と振り返ったように、そのまま0-1で前半を終えた。

 ハーフタイムに「シェイプ(形、布陣)を変えてメンバーも変えたので、最初の立ち位置を変えたことによって相手も混乱するかな、と。そこからもう一回、勢いを持っていこう、ということだった」との指示を受け、後半は反撃に転じる。53分には吉田がインターセプトから攻め上がり、原口元気のシュートを相手GKがはじいたこぼれ球を蹴り込んで同点とした。

 ただ、その後は一方的に攻め込みながらも、逆転ゴールは奪えず。「スペースが空いてきた中でも崩せずに最後まで終わってしまったので、もちろん課題は残る」としつつ、「(次の日本代表の活動となる)6月に向けて課題が見えたので、それはそれで悪くないことじゃないかなと思う」と前向きに語った。

 この日の埼玉スタジアムには4万4600人の大観衆が詰めかけた。「これだけのたくさんのお客さんに来ていただき、僕たちもぜひ来てくださいと言ったのに、勝ちをお届けできなかったことは本当に申し訳ない」とコメントしたキャプテンは、「この予選10試合を通して、本当に苦しい中でサポーターの皆さんの声援が大きな力になった。そのおかげもあって予選突破という目標をクリアすることができました」と感謝している。

 その上で「カタールでベスト8という目標に向かっていくために、ここからもう1回、前進していかなければいけないと思う」と強調。「皆さんの応援を必要としているので、よろしくお願いします」と、これまで以上の後押しを呼びかけていた。


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