日本代表は24日、敵地でオーストラリアを2-0で下し、カタール・ワールドカップ出場を決めた。まさに大一番と言える試合で前半から何度も相手ゴールに迫り、攻撃陣をけん引したのが南野拓実だった。

上写真=スタンドの声援に応える南野拓実(写真◎Getty Images)

交代で入った薫が決めてくれて本当に良かった

 3トップの左ウイングで先発した南野は、試合開始直後から躍動感あふれるプレーを見せた。20日に所属するリバプールでFAカップ準々決勝ノッティンガム戦に出場(後半途中から)。その後に長時間のフライトを経てシドニー入りしたが、到着したのは22日。つまりオーストラリア戦の2日前であり、しっかり練習できたのは実質1日だけだった。

 コンディションが万全かと問われれば、答えはノーだろう。それでも南野はスタートから疲労など感じさせないアグレッシブさを示した。「僕たちは勝ってW杯の切符をつかみたいと思っていたし、ゴールを取りたいと思っていた」。強い思いに突き動かせるように、南野は前半から積極的にシュートを放っていった。

 31分には伊東純也の右クロスをヘッドでとらえたがクロスバーを直撃。37分にも左サイドを突破した長友佑都のグラウンダーのパスに走り込んだが、またもシュートはバーに嫌われた。ゴールは決まらなかったものの、左サイドから中央へとポジションを移す南野のプレーはスムーズかつ効果的で、この場面以外にも何度も相手の監視下から逃れてチャンスに絡んだ。

 昨年10月のオーストラリア戦で日本は初めて4-3-3を採用したが、3トップの左ウイングにポジションを務める南野は当初、持ち前のシュート力を発揮できなかった。2次予選でゴールを量産した姿はそこにはなく、システム変更によってプレーエリアが変わったことで得点に絡む機会が減っていた。だが、ほぼ同じメンバーでシステムを運用し、練習や試合を重ねるなかで選手間のすり合わせが進んだ。その結果、南野は持ち味の出しどころをつかんでいった。結局、オーストラリア相手にネットを揺らすことはできなかったが、84分にベンチに下がるまで、走り、戦い、そしてシュートを打って相手の脅威になり続けた。

 代わってピッチに入った三笘薫が2つのファインゴールを決め、日本は大一番を制してW杯出場権を手にすることになった。南野は「何よりもチームが勝つことが一番なので、交代で入った薫が決めてくれて本当に良かった」と仲間を称え、「最終予選を経験してW杯に行くというのは、すごく意味のあることだと思っています。この雰囲気やアジアでの戦いを乗り越えてこそ、一員だと個人的にも感じるので。僕自身にとっても最終予選は初めての経験でしたし、非常にうれしいです」と、これまでの歩みの価値を口にした。そして「予選を突破できてよかったですが、ここは通過点でW杯が本番。そこに向けて頑張っていきたい」と、これからに目を向けることも忘れなかった。

「W杯まで時間はあまりないので、チームに戻ってしっかりレギュラー争いだったり、勝ち取って、今よりもレベルアップしてW杯に出場したい」

 クラブレベルではリバプールというトップクラブで日々、研鑽を積んでいる。次は代表レベルで世界に伍していくことを目指す。出場権を得ただけで満足はできない。W杯に向けて、南野はまだまだ成長すると誓った。


This article is a sponsored article by
''.