日本代表DF吉田麻也が、負傷で不参加だった前回の悔しさを胸に、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の大一番に臨む。7大会連続となる出場に向けて、敵地でオーストラリアを下すべく意気込んでいる。

上写真=オーストラリア戦に向けてチームに合流した吉田。短い準備期間で大一番に臨む(写真◎JFA)

「非常に難しい試合になる」

「一つは、当たり前ですけどオーストラリアに勝って、ワールドカップを決めることが一番。もう一つは個人的に、前回招集されていないので、そのぶんまで貢献したい」

 3月23日のオンライン会見でキャプテンとしての意気込みを聞かれた吉田は、チームと個人、2つの目標を口にした。前回、中国とサウジアラビアに連勝した1月から2月にかけての活動は、右足の太ももを痛めて参加できなかっただけに、今回の活動に懸ける思いは強い。

 前回の不参加については当時、自身のSNSで「自分に殺意すら覚えた」と無念の思いを明かしていた。今回の会見でも「代表活動を逃すのは非常に悔しい。若いときから先輩たちに言われてきて、代表の前後でケガをするのは絶対ダメだと。それは重々理解した上でプレーしていたのですが、自分でも思いがけずケガをしてしまった」と語り、「そういう年齢(33歳)になってきたのは認めざるを得ない。大切なのは、このケガを繰り返さないことと、ケガの頻度を減らさなければいけない。自分自身の体はすごくタフだと思っていますけど、過大評価せず、もっと突き詰めてやらなければいけないと、あらためて思った」と今後を見据えた。

 中国戦とサウジアラビア戦を見て「2試合、日本でやれたこともあると思いますが、中国戦を経て、大一番のサウジアラビア戦は非常にコンディションも良さそうだった。絶対に勝つというチームの気持ちも表れていた」と感じたという。冨安健洋も不参加でセンターバックのレギュラー2人が欠場となったが、谷口彰悟と板倉滉が2試合連続完封と結果を出した。周囲からの情報や活動を捉えた動画などから「すごく緊張感があったんじゃないか」とチーム状態を評した吉田は、「チャンスが来た選手が期待に応えるパフォーマンスで結果を出したのは、チームが盛り上がるし、個の選手の能力もすごく伸びる。そういう意味でも2連勝で乗り切ったのは、非常によかったんじゃないか」と自身の見解を述べた。

 日本は24日にオーストラリアに勝てば、7大会連続のW杯出場が決定。引き分けでも、29日にホームで行なわれるベトナム戦で引き分け以上ならW杯出場となる。逆にオーストラリアは負ければ2位以内の可能性がなくなり、プレーオフに回らなければならない。「相手もあとがない状態なので、非常に難しい試合になる。この予選を通して、自分たちが圧倒した試合は一つもない。特にオーストラリアとは僅差の試合で、今回もそうなるんじゃないかと予想している」といい、「引き分けでもOKとか、次のベトナムに勝てばいいというような気持ちの持ちようで挑まないことが一番大事」と気持ちを引き締めた。

 とはいえ「0-0のまま試合が進めば、プレッシャーを感じるのは相手だと思う。そのあたりはうまく、賢く戦わなければいけない」との考えもある。「大切なのは、先に失点しないこと。もちろんゼロに抑えることを意識していますし、早い段階で失点して、自分たちが苦しい立場に追い込まれないように、うまく試合をコントロールしなければいけない」とゲームプランを描いていた。


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