カタール・ワールドカップ最終予選で1月の中国戦、2月のサウジアラビア戦と2試合連続で完封勝利を収めた日本。第9戦のアウェー、オーストラリア戦で勝てば本大会出場、というところまでこぎ着けた。この2試合でセンターバックとして完封勝利に貢献した板倉滉が次に狙うのは、セットプレーからのゴールだ。

上写真=センターバックにはキャプテンの吉田麻也が復帰。板倉滉は「オリンピックで組んで、隣りにいて頼りがいのある選手だと思いましたし、自分もそうなっていかなければ」(写真提供◎JFA)

「受け身にならず、仕掛けていく」

 勝てばワールドカップ出場という大一番を前に、板倉滉は「楽しみです」とニコニコしながら落ち着いている。

「まだ細かいことはわからないけど、間違いなく勢いを持ってくると思います。オーストラリアはホームだし勝たなければいけない試合なので、ガツガツ激しく前から来る。それに対して受け身にならず、自分たちが仕掛けていくことが大事になります」

 板倉はセンターバックとして直近の中国戦とサウジアラビア戦で連続フル出場、どちらも2-0の完封勝利に貢献して、吉田麻也と冨安健洋の不在を感じさせないパフォーマンスを見せた。今回も吉田は復帰したものの冨安は選ばれなかった。これまで通りの4バックであれば、吉田のほか谷口彰悟、植田直通とポジションを争うことになりそうだ。

「ヨーロッパで対戦している相手が自分より大きくてでかいので、日頃から対峙することはプラスになっています。間違いなくオーストラリア相手に生かせると思います」

 オーストラリアも屈強だが、ドイツ2部のシャルケでプレーする板倉にしてみれば手慣れたものだ。ただ、フィジカルバトルの経験だけがプレーを左右するものでもない。「誰とやるにもコミュニケーションを取りながら。それがすべてだと思う」と言い切る。

「わかっていること、見えていることでも、しゃべりながら、声を掛け合いながら細かい修正をできたら危ないシーンは防げると思います。そこは、前の試合と変わらずやっていければいい」

 1年前、U-24日本代表の一員として東京オリンピック前のテストマッチでU-24アルゼンチン代表と2試合連続で対戦したが、3月29日の第2戦は板倉の2ゴールなどで3-0で快勝している。このゴール、どちらも久保建英の左コーナーキックからヘッドでたたいて生まれたものだ。

 ワールドカップ最終予選で日本は9ゴールを挙げているが、セットプレーからはゼロ。3位のオーストラリアは崖っぷち、2位の日本は勝てばワールドカップ出場、という緊迫した状況では、セットプレーがより重要なウエイトを占める。

「イメージができているというか、セットプレーはチャンスだと思っていますし、そこで取れればチームの助けになると思っています。コーナーキックで中に入るときは狙っていますし、相手が嫌がることをやりながら、またミーティングでは話が出ると思いますが、セットプレーで取れるチームにもっともっとなっていければいいと思っています」

 1年前の豪快ヘッドを再び、の期待は集まる。


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