三笘薫が日本代表に帰ってきた。2021年11月のワールドカップ最終予選、オマーン戦で代表デビュー、いきなり決勝アシストを決めてみせて、まさに「救世主」の働きだった。その活躍をもう一度、の期待は高まるばかり。次はシドニーで衝撃をもたらす。

上写真=三笘薫が久々の代表復帰。「ゴールやアシストで勝利に貢献するのが一番の目標」(写真提供◎JFA)

「自分が楽しいからやってるところもあります」

 2021年11月16日、オマーンのマスカットで三笘薫が見せたきらめきは、記憶に新しい。ワールドカップ最終予選第6戦、アウェーのオマーン戦で初めて日本代表として後半からピッチに立つと、81分に左サイドを軽やかに突破してセンタリング、伊東純也の決勝ゴールを生み出したのだ。

 あれから4カ月。最終予選の最後の連戦となるオーストラリア戦、ベトナム戦を前に久々に日本代表に帰ってきたが、変わらないのは「しつこさ」のようだ。ドリブルというものに対する強烈な自我と言い換えてもいい。

「ドリブルをしたらリスクも増えますけど、昔からやっているスタイルでもありますし、何度もやって相手の脅威になって結果につながればいいと思っているので、そこは失っていることはありません」

 2021年夏にヨーロッパに渡り、ベルギーのウニオン・サンジロワーズで欠かせない一員となっている。ケガもあってフルタイムで活躍したわけではないが、適応しながらも自分の強みを余すことなくピッチに投影する作業に精を出してきた。

「ヨーロッパのサッカーに慣れるためにいろんなところを吸収しましたし、プレーの幅が広がったこともあります。ただ自分の武器も残しつつ、いろんなところの能力を上げていく必要があるかなと。いまはそれにチャレンジしている状況です」

 クラブでは主に左のウイングバックでプレー。川崎フロンターレでウイングのポジションを与えられていたときと比べると、やや下がり目の立ち位置がスタートになる。

「最終ラインで構えて守備をするときもあって、そこからオーバーラップして仕掛けることも多いですし、空中戦も多くて、より球際のシーンも増えています。日本でプレーしているときよりはあまり前に出て行く回数は多くないと思っています」

 日本代表はいま、4-3-3のシステムを採用している。川崎F時代とまったく同じタスクとは言えないが、ウイングのポジションが存在する。だから、よりゴールに近い位置でプレーできるチャンスだ。

「自分に余裕がないときにはドリブルだけになってしまったりするときもありますし、周りが見えているときこそいいプレーができることが多くあるので、整理しながらやってます。でも、自分が楽しいからやってるところもありますし、それがチームに影響すると思ってやっているプレーなので」

 チームに好影響を与え、リズムを生み出すために、気負いすぎずに楽しんで相手を抜き去っていく。その姿が見られるほど、日本が勝利に近づいていく。先発なのか、途中からの出場なのかはわからないが、そこにいるだけで何かを起こす期待が集まる。

「前回のオマーン戦では途中からでしたけど、途中からでの出場には慣れていますし、流れを変えるプレーを求められていると思うので、今回もそういうところを出せればと思います。どんな状況でもベストを尽くして勝利に貢献したいと思います」

 勝利をつかみ取ることができれば、ついにワールドカップだ。

「この前のオマーン戦でも大事な試合だと思っていましたし、その結果がいまにもつながったと思っています。先輩たちがつないだ結果をまたつなぐためにも、自分たちの未来のためにも、僕自身もいろいろな人も思いをこめている試合だと思うので、後悔なくプレーして勝利できればうれしいと思っています」

 次は「シドニーのきらめき」を!


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