上写真=オンラインで取材に応じた権田修一(写真◎スクリーンショット)
終盤に受ける形になったら引き分けも見据えて
勝てば本大会行きが決まる一戦であるだけにオーストラリア戦の注目度は高い。ただ、権田は大一番を前にしても冷静だった。特別、スタンスを変えることもない。「これまで僕は、2次予選でも親善試合でも試合の大小を感じることなくやってきました。この試合が大事だとか、優劣をつけるといいことはないので」と話し、「昨日の神戸戦までは神戸戦のことを考えて、それが終わって中4日でオーストラリア戦を迎える心境」とあくまで通常運転であると説明。「いま落ち着いて、そう思えていることが自分の中でいいことかなと思っています」と、気負うところが一切なかった。この状況において自然体でいられるのは、権田が多くの経験を積み重ねてきたからだろう。
日本は現在グループBの2位につけ、3位のオーストラリアに勝ち点3差をつけている。仮に引き分けても、最終節のホームで戦うベトナム戦に勝てば、本大会行きが決定する状況だ。気負ってやられる愚を犯すことは避けたいところだが、ハナから引き分け狙いで勝ち点を手にできるほど、最終予選は簡単ではない。権田は「どの試合も日本としての誇りを持って相手を上回る。どこが相手でも勝つことを目指してやるのが僕ら」と前置きしたうえで、試合展開によって、例えばラスト5分となったときに、「試合状況によって点が取れる確率が高いなら点を取りにいきますが、相手が圧をかけてきて終盤に受ける形になっていたら、引き分けも見据えながらプレーすることもある」と、状況に応じたプレーも必要と指摘した。
大迫勇也と酒井宏樹が負傷のために不参加となり、主軸2人の欠場を不安視する向きもあるが、「今回の予選は毎回誰かがいないとか、ずっとそうだった。昔は、ザッケローニ監督の時代は、1試合目に親善試合があり、2試合目に予選ということがりましたが、今は集まって1発目ですぐ試合。昔よりもコンディションというところで難しくはなっている。でもこれを経験している僕らは、すごく強くなっているんじゃないかなと。ここで結果を出せなかったら、強くなっていないということになるんですけど。どういう状況で試合ができるかまだ分かりませんが、強くではないですが、逞しくはなっているんじゃないかなと。その点はチームとして一番変わってきた部分、成長した部分じゃないか思います」と話し、不測の事態も培ってきた逞しさで乗り越えることを誓った。
「オーストラリアはアジアの中では1番アジアっぽっくないというか、1番フットボールをしてくるチーム」。そんな相手に対して重要なのは「自分たちにスキをつくらないこと」だとも強調。
冷静に状況を見極め、誇りをもって日本のフットボールをピッチで表現するのみ。3日後、カタール行きの切符をつかむ準備はできている。