上写真=中国戦でアシストを決めた中山雄太(写真◎Getty Images)
ケガは問題ないです
28日の練習で負傷し、29日はメディカルチェックを受けて別メニューで調整していた中山だが、オンライン取材では「もう問題ないです」ときっぱり。大事をとってのことだったと説明した。
中国戦では58分から長友佑都に代わって左サイドバックとして出場。スーロイングの流れからゴール前にクロスを入れて伊東純也のゴールを導いた。相手を突き放すチームの2点目。中山自身は「アシストは伊東選手が決めてくれたもの。ただ、結果が出たことは良かったです」と謙虚に語った。
日本の左サイドバックは長らく長友が務めてきた。最終予選でも常に先発するのは長友だった。だが、中山が台頭し、中国戦では結果も出した。フィードの精度や種類、ビルドアップに特長がある中山を待望する声が日増しに強まっているのも事実だ。
しかし、「最終予選が始まって、スタートから出ていないことは、悔しい部分と自分に足りないものがあるから実現していないとも思います」と本人は現実を冷静に受け止めている。「日々、そこ(足りない部分)を埋めて、(先発を)実現できるかもがいています」とも語った。
長友とのライバル関係についての質問に対しても「自分がさらに成長すれば、結果としてチームの総合力アップにつながると思います」と、あくまで目指すべきは自分の成長だと繰り返した。
もちろんこのまま途中を出場を続けていて満足だというわけではない。「任された時間でしっかりと自分のタスク、(力を)証明しなければいけないと意識していますが、それプラス、スタメンで出たいのは当たり前で、僕がもっとうまくなればスタメンになれると思う」と強い意欲も口にした。
一方で長友は中国戦で結果を出した中山に対する感想を求められると、「痺れますね。痺れると同時に、僕も本当に雄太は良い選手だとこれまでも言ってきましたし、実際に本当に落ち着いていて、サイドバックをこれまで普通にやってきたんじゃないかというくらい落ち着いて見ていられます」と称賛。「自分が出ていないときに、この代表でも色んな選手が出てきましたけど、あそこまで落ち着いて見られる選手はなかなかいなかったんじゃないかなと。だからこそ長友はもっと落ち着かなきゃいけない、経験があるので。彼よりももっと」と刺激を受けていると率直な思いを口にした。両者の定位置争いが中山の言う通り、チーム力を上げることにもつながっていくだろう。
2日後に迫ったサウジアラビ戦に向けて中山は「(前回の対戦では)僕らがアクティブな守備ではなく、スライドする守備になったときに相手がボールを握る時間帯になり、向こうは特徴を出しやすかったと思います。僕たちがアクションを起こしてディフェンスをする、マイボールの時間を長くすればその特徴を消せるので、そこが大事だと思います」と、いかに戦うかをイメージしていた。
長友だけではなく、チーム全体を刺激する存在になるべく、中山はサウジアラビア戦に向かう。