上写真=南野拓実は狭いエリアにもぐり込んでフィニッシュにつなげる得意のプレーで、サウジアラビアからゴールを奪う!(写真◎小山真司)
「結果で示すことができれば」
南野拓実が雌伏のときだ。ワールドカップ最終予選のオーストラリア戦から4-3-3の配置をベースに戦って苦境を突破したチームにあって、最前線の左に立つ南野には自分の良さを生かしきれていないというもどかしさが残る。
中国戦ではチャンスもありながら、決めきれなかった。
「前回の試合から少し期間が空いたので、練習でいろいろな選手と話をしながら、いろんなポジションに顔を出して攻撃に参加するイメージをしていました」
最前線の右はウイングタイプの伊東純也。南野はゴールに近いエリアで相手に捕まらないように浮遊して、一瞬で抜け出してフィニッシュワークを担当するのが最大の持ち味だ。だから、左右対称の攻撃ではなく、左は流動性・即興性も期待される。南野はより中央に近いエリアに立って、それを実現させようとしてきた。
「状況によりますけど、前回の試合では押し込んでいたのでビルドアップに参加したり、ワイドに張って相手のラインを下げなくてもいい。(中央寄りの場所は)自分が一番得意なスペースでもあるし、そこでどうやって前を向けるか、サコくん(大迫勇也)が持ったときに近くでプレーできるか、それから自分が走ったあとのスペースを(長友)佑都くんが使えるようにイメージしていました。それが自分の一つの良さでもあるので」
その中国戦を踏まえて「もっとよくできると思うこともある」というのが南野自身の見解だ。その具体的な内容とは?
「もっと裏でボールを受けることですね。次の試合に関してはボールを受ける時間がないと思うし、相手の方が押し込んでくる時間があると思う。そういうときは間で受けるよりも縦に速い攻撃がいいと思うので、その意識は必要だと思っています」
中国よりもはるかに格上の、首位サウジアラビアを迎えるだけに、また別の色合いを持った試合になることが予想できる。いまこそ、南野の一瞬のスピードとゴールセンスが生きるときだ。
「サウジアラビアはビルドアップからサッカーをしてくるので、どういう戦い方で来るかわからないけどプレッシングの行き方は一つ重要になると思います。相手にいい形でプレッシャーを与えて、ショートカウンターをかけられるようになれば、自分たちが前回よりいいプレーできるんじゃないかな」
より縦に、より速く。南野がゴールを決めれば、この最終予選で初めてのこととなる。
「中国戦では確かに自分にチャンスがあったし、決めることができた部分もあって、個人的にはすごく改善したいことの一つです。このフォーメーション(4-3-3)になってから試合を重ねるにつれて良くなっている部分があるし、チームメートと共有できることが多くなっているので、それを次の重要な一戦で、結果で示すことができればと思います」