上写真=練習場でリラックスした表情を見せる南野拓実(写真◎JFA)
最多得点者としての責任
29試合に出場し、16得点。南野は現代表チームで最もネットを揺らしてきた。そんな『得点源』がケガの影響とはいえ、重要な最終予選のスタートでプレーできなかったことはチームにとって痛かった。とりわけ中央を固められた9月2日のオマーン戦で、これまで何度も好機を生み出してきた南野と鎌田大地のコンビネーションを使えなかったことは悔やまれた。
本人は前回シリーズも「無理してでも試合に出るつもりだった」というが、所属チームと代表チームのメディカルスタッフが話し、欠場することになったという。だからこそ今回の活動には並々ならぬ思いを抱いて臨んでいる。「前回はケガの影響でチームの力になれなかったことが個人としてすごく悔しかった。だからこそ今回、この重要な2戦でチームにフィットして試合に出たら勝利に貢献できるように準備したい」。ゴールに絡んで勝利を引き寄せたいと意気込んだ。
所属するリバプールではリーグ戦でなかなか出場機会を得られていないものの、9月21日のリーグカップ3回戦、ノリッジ戦に先発すると2ゴールをスコアし、勝利の立役者となった。28日のUEFAチャンピオンズリーグ、FCポルト戦にも途中出場し(67分)、攻守両面でアグレッシブなプレーを見せて勝ち点の獲得に貢献した。
本人もリーグ戦で出番がないことについて「個人的には全然、不安はなくて、前回ケガして1カ月後にまた代表戦があるのは分かっていたので、ここで良いコンディションでいられるようにと準備してきました。自分は100パーセントの準備をしてきたつもりなので、問題ないと思います」と、心身ともに万全の状態にあると語った。
対戦相手であるサウジアラビアについては2019年1月のアジアカップでの対戦を振り返り、「あのときのイメージしかないですが、たぶんボールを保持して、彼らの戦い方でやって来ると思っています。その中で、一つはどうやってボールを奪うか。いい形でボールを奪って攻撃につなげるというところは僕たちにとって大きなカギになると思う」とボールの奪い方がポイントになると指摘した。その上で、自身が求められる役割についても言及。それは、ゴールだ。
「得点がチームに貢献することが自分には求められていることだと思うし、今回は何が何でも勝ち点を取って帰らないといけない。引き分けじゃなくて、2戦とも勝たないと次につながらないと思っているので、そのために全力でプレーしたい」
南野がネットを揺らせば、当然ながら日本は勝利に近づく。前回シリーズで味わった歯がゆさと悔しさを、大事な10月シリーズの2試合にすべてぶつけるつもりでいる。