上写真=初戦で先制点をアシストした高橋選手。ニルス・ニールセン監督からの信頼は絶大です!(写真◎日々野真理)
ゴールパフォーマンスの秘密
3月4日、チャイニーズ・タイペイとのグループステージ初戦は、39度という猛烈な暑さの中で行なわれました。10時頃にスタジアムに着いた時点で厳しい暑さ、日差しがまぶし過ぎて、照り返しの強さにも驚くばかり。しかもキックオフは13時、暑さがピークとなる時間帯でしたが、そんな過酷なコンディション下でも、なでしこジャパンは白星スタートを切りました。
開始早々から攻め続けながらも、なかなか得点が決まりませんでしたが、試合後の選手たちはそろって「焦ることなくやれた」と語っていました。61分、DF高橋はな選手からのパスに合わせて、MF谷川萌々子選手が絶妙なタイミングで最終ラインの背後に抜け出し、待望の先制点! 後半アディショナルタイムには交代出場のFW千葉玲海菜選手のアシストからFW清家貴子選手がヘッドで決め、2-0で勝利しました。
シュート数は日本が30本、チャイニーズ・タイペイは0本。徹底的に守りを固める相手を攻め崩さなければならない、アジアの戦いの難しさを感じる試合でもありました。
高橋選手の「あそこは狙っていた」というアシストからの先制点。得点後に谷川選手と2人で人差し指を突き上げ、天を見上げたゴールパフォーマンスは「試合前にいきなり萌々子が『はなさん! 決めたら、これやりましょう!と言ってきたから(笑)」とのこと。驚きながらも笑顔で「試合後に『何回もやりましょうね!』と言ってくれたから、またやりたいです」と秘話を教えてくれました。今大会、たくさん見られるといいですね!

先制点後のゴールパフォーマンスは谷川選手からの提案だった(写真◎Getty Images)
初戦の仕事を終えて、私もようやくホッと一息。気持ちを開放したくて、きれいな夕日を見に行きました。かつてパース・グローリーでプレーした太田宏介さんおすすめの、エリザベスキーという場所から見る夕焼けは美しかったです!

エリザベスキーの夕焼け。初戦の勝利後に見る景色は格別

パース駅前には大会プロモーション用のフォトスポットが登場
「しっかり中2日で調整してくださいよ!」
翌5日の練習を取材に行くと「みんなの雰囲気が一気に良くなった。いいですね!」とチーム関係者。この日も相当な暑さでしたが、そんな中でも選手たちがタフに戦えている要因の一つに、大会前から始めていた暑熱対策があるようです。
「初戦のピッチはかなり暑かったですよ。でも、暑いからみんな体が重いとか、暑さにやられている感じはなかったです。みんなが良い準備をしてきたことが、うまくいったんだと思います」と田中美南選手。「今大会の集合前から、お風呂は長めにするとか、いろいろ調整について言われていました。たとえば一度アイスバスに入って体を冷やして、なるべく長くお風呂やサウナに入って汗をかいたりする準備を、それぞれがやってきた」そうです。
さらに「パースに入ってからは、最初の方は練習後すぐアイスバスに入るのではなく、ホテルに帰って時間を空けてからアイスバスに入る。でも試合の数日前は、逆に疲労を残さないために、練習後すぐアイスバスに入るようにする」と細かい調整も。「しっかりスケジュールを組んでやってくれたのが効いているので、そのおかげですね!」と笑顔でした。
私はそんな調整もせずパースに入ったので、暑くてバテバテ。田中選手に「しっかり中2日で調整してくださいよ!」と笑われました。気を付けます(笑)。

左からDF山本柚月選手(目を閉じた瞬間でごめんなさい)、MF林穂之香選手、FW清家貴子選手、DF熊谷紗希選手、FW植木理子選手。よく見ると後ろには写真に入ろうとするMF宮澤ひなた選手(左)、FW田中美南選手が

今大会の注目選手の一人、MF松窪真心選手。ブレイクに期待です!
ちなみに、その暑熱対策を指示したのは岡本隆吾フィジカルコーチ。チームで最も日焼けしていて、このとおり、夏休みの小学生のようになっています(笑)。

かつて大宮アルディージャでプレーした岡本フィジカルコーチ。顔も腕も足も焼けています!
インドとの第2戦に向けた前日会見では、DF南萌華選手が「チームメイトと同じチームでプレーできることが誇りだし、学ぶことが多い。国を背負って戦う上では、全員でつながり、一つになって戦うことが大切」と語っていました。チームの絆が日々強まっていることが伝わってきます。
迎えた8日のインド戦。初戦からスタメンを大幅に入れ替え、開始早々のDF山本柚月選手の代表初ゴールを皮切りに、MF長谷川唯選手、MF宮澤ひなた選手のハットトリック、MF清家貴子選手の2得点、FW植木理子選手のハットトリック、そしてFW土方摩椰選手の代表初ゴールと、鮮やかなゴールラッシュ!
「メモをするのが追いつかない!」と言えるのも幸せなことですね。それでも試合後のミックスゾーンで選手たちから「もっとこうしたかった。次はもっと…」という貪欲な声が多く聞かれたことは、頼もしい限りです。

3月1日の練習後の様子。インド戦で代表初のハットトリックを達成したMF宮澤ひなた選手と、前日会見でチームの『つながり』を強調していた南萌華選手

こちらも3月1日の練習後の様子。インド戦は中盤でゲームをコントロールしたMF林穂之果選手(左)と、途中出場のファーストタッチでゴールを決め、代表初のハットトリックを決めたFW植木理子選手
日本のグループステージ突破は決まりましたが、1位通過が最初のターゲット。まだまだ、これからです。でも今は、ただただうれしい!
取材・写真◎日々野真理
