2011年の女子ワールドカップ(W杯)で世界一に輝いた、なでしこジャパンの軌跡を追った週刊サッカーマガジンの連載「日々野真理のなでしこ観察日記」が、2019年大会に続いて再び復活! シーズン3として今大会期間中、サッカーマガジンWebで連載コラムを掲載します。6大会連続で女子W杯中継のインタビュアーを務める筆者が知る、なでしこの素顔とは? 第3回は、ピッチ外も充実しているチームの様子をお届けします。

上写真=報道陣から贈られた花束を手にする植木(右)と清家。大会期間中の思わぬサプライズとなった(写真◎JFA)

取材・文◎日々野真理

苦難を乗り越えた高橋選手の涙

 7月31日のグループステージ最終戦で、グループ最強と目されるスペインと対戦しました。開催地ウェリントンは『ウィンディ・ウェリントン』と呼ばれるほど風が強いことで有名な街。この日も、かなりの強風が吹いていましたが、MF宮澤ひなた選手の2ゴール、FW植木理子選手、FW田中美南選手のゴールで4-0と圧勝! グループ首位通過を決めました。なでしこジャパン、強いです!
 
 試合前日が24歳の誕生日だった植木選手は「誕生日の翌日を良い日にしたい」と意気込んでいて、見事に有言実行! みずからのゴールで祝福しました。そんな植木選手と、8月8日が誕生日のMF清家貴子選手には、報道陣からもお花を贈ってお祝いしました。

 スペイン戦で印象に残った選手が、もう一人。初めてW杯のピッチに立ち、無失点勝利に貢献した高橋はな選手が、試合終了の瞬間に涙を流していました。
 
 昨年11月にヒザを負傷してから、ずっとリハビリ生活でしたが、6月のWEリーグ最終節で復帰し、滑り込みでメンバー入り。今大会、最初の2試合では出番がありませんでしたが、チームを盛り上げようと、練習では常に明るい声を響かせていました。

画像: 試合後の取材エリアで筆者のインタビューを受ける高橋。ケガを克服してのW杯初出場だった(写真◎Getty Images)

試合後の取材エリアで筆者のインタビューを受ける高橋。ケガを克服してのW杯初出場だった(写真◎Getty Images)

 試合に出る選手を勇気づける存在でもあり、ベンチからチームの一体感を作ってきた高橋選手。苦難を乗り越えてW杯初出場を果たし、試合終了のホイッスルを聞いた途端に「涙があふれてきた」と語っていました。


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