2011年の女子ワールドカップ(W杯)で世界一に輝いた、なでしこジャパンの軌跡を追った週刊サッカーマガジンの連載「日々野真理のなでしこ観察日記」。シーズン3として今大会期間中、サッカーマガジンWebで連載コラムを掲載してきましたが、今回が最終回となります。残念ながら準々決勝敗退となったチームと選手を、6大会連続で女子W杯中継のインタビュアーを務めた筆者は、どのように見たのか?

人々の記憶に残る戦い

 一日でも長く見ていたい。そう思わせてくれた魅力あるチームでした。

 その魅力は世界にも伝わっているのだと、現地で感じることができました。試合を追うごとに「日本について記事にしたいから、教えてほしい」など、海外メディアから質問や感想を聞くことが増えたからです。

「宮澤ひなた選手のことを教えてほしい」
「池田監督は、どんな人物なのか」
「日本は、チーム全員が笑顔だね」
「審判員にクレームを言わないところが素晴らしい」

 プレーの魅力のみならず、選手たちの様子や、振る舞いが大きなインパクトを与えていたようです。

画像: 涙を浮かべて引き揚げる植木理子。後半にPKを獲得して自らキッカーを務めたが決められなかった(写真◎Getty Images)

涙を浮かべて引き揚げる植木理子。後半にPKを獲得して自らキッカーを務めたが決められなかった(写真◎Getty Images)

 彼女たちは成績以上に、人々の記憶に残る戦いを見せました。スタジアムには日本人以外でも、なでしこを応援する外国人の姿が多く見られ、ニュージーランドで日本のユニフォームが売り切れるなど、海外にもファンを作った大会になったのです。

 世界一にはなれなかったけれど、また見たいチーム。そんな魅力を世界に示して大会を終えた、なでしこジャパンを誇りに思います。
 
 ワールドカップの戦いを終えた翌朝、選手たちはオークランドを出発しました。

 心から「大好き」と言い合った仲間と、再び世界の舞台で戦うために。来年のパリ五輪に向けて、それぞれが成長した姿で戻ってくるのを楽しみにしながら、私も帰国の途に就きたいと思います。

 なでしこジャパンの選手・スタッフの皆さん、ありがとうございました!

取材・文◎日々野真理


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