上写真=コスタリカ戦のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた猶本選手が会見後に笑顔。ついに約束が実現しました!(写真◎Getty Images)
練習後のキムチ鍋に歓声!
7月22日、グループステージ初戦のザンビア戦に5-0で勝利した、なでしこジャパン。
宮澤ひなた選手の2得点、遠藤純選手、田中美南選手、植木理子選手が、それぞれ1得点を挙げるゴールラッシュとなりました。
ヒロインは宮澤選手! 試合後のフラッシュインタビューでも笑顔いっぱいに答えてくれました。あとで聞くと、親戚と一緒にテレビで見ていたお母さんは、涙を流して喜んでくれたそうです。90件もLINEが来て、自分が思っていた以上の反響に驚いていると言いつつ「もっと点を取りたいです!」と次への意欲も旺盛でした。
そしてもう一人、前回の観察日記で取り上げた田中選手。前日にピッチ状態をチェックしていた方のゴールへ、しっかり得点を決めました! これも前回で取り上げたゴールパフォーマンスについては「忘れちゃっていた」とのことでしたが、オフサイドによる取り消しが2回あった後のゴールを「三度目の正直ですね」と喜んでいました。
7月25日、試合前日にベースキャンプ地のクライストチャーチから再び試合地へと移動した、なでしこジャパン。
会場のある街、ダニーデンがかなり寒かったことから(そう、南半球のオーストラリアとニュージーランドで共同開催されている今大会、現地は冬なのです)、練習を終えて宿舎に帰ると、食事会場にはキムチ鍋が用意されていたそうです。
思わぬメニューに選手たちは歓声! 聞けば、テーブルごとに鍋奉行がいて、取り分けをしたり、最後に雑炊を作ったりして盛り上がったとか。今大会は男子の代表でもおなじみの西芳照シェフが帯同。ピッチ外にも心強い味方がいます!
7月26日、コスタリカとの第2戦は2-0で勝ち、2試合連続の完封勝利となりました。その後のスペイン-ザンビアの結果を受けて、グループステージ突破が決定。
この試合で、ある選手との約束が実現しました。
およそ10年前、「いつか世界の舞台で戦うとき、私がインタビューしますね」と話したときに「待っていてください!」と力強く答えてくれた猶本光選手が、先制点を決めたのです。なでしこジャパンの国際大会には縁がなく、長い時間がかかりましたが、強い思いでこの舞台を目指してきた末の活躍を見ていて、思わず目頭が熱くなりました。
それを試合後に伝えると「実は私もゴールを決めて、ウルッとしそうになったんですけど、まだ試合中なので切り替えたんです」と笑顔。今大会、今後も活躍が期待できそうです!
そしてもう一人、19歳の若さでゴールを決めた藤野あおば選手の活躍には、明るい未来が見えました。「次も絶対に決めたい」というニュースターにも注目してくださいね!
練習場には明るい声が響き、選手たちの言葉にも力強さが。女子W杯は始まったばかりですが、このチームの結束力、チーム力は日を追うごとに強くなっていると確信しながら取材を続けています。
グループステージ最終戦は7月31日、1位通過を懸けてスペインと対戦します。日本時間15時50分からNHK総合にて生中継! ぜひ皆さんのパワーをぜひ送ってください!
取材・文◎日々野真理