上写真=植木理子が日本を優勝に導くゴールを決めてみせる(写真◎小山真司)
「もっとボールを受けなければ」
7月26日、E-1選手権最終戦の中国戦は、日本にとっては大会連覇をかけた一戦だ。そしてそれだけではなく、AFC女子アジアカップのリベンジを果たすプライドをかけたゲームでもある。
アジアカップでは準決勝で2-2からPK戦で敗退させられたが、日本の2ゴールは植木理子が決めたものだ。26分に宮澤ひなたの左からのクロスに合わせて走りながらバックヘッドで流し込む難易度の高い一発で先制。一度追いつかれて延長戦に入った103分、長谷川唯のFKに右から思い切りよく走り込んでダイビングヘッドで勝ち越し点を挙げている。このあとまたも同点とされてPK戦で敗れたが、植木のゴールはどちらも印象的だった。
「チームを勝利に導けるゴールではありませんでした。今回こそ、自分のゴールで勝利に導きたい」
それはつまり、E-1選手権連覇を手にするゴールになる。
「国内で行われる大会で、優勝をかけて中国といういいチームと戦えるのはうれしいことです。いろいろな人が見てくれる中での試合なので、ワクワクしています」
その高揚感がエネルギーだ。今大会は初戦の韓国戦で、65分の勝ち越しゴールを見事にアシストしている。カウンターで右サイドを抜け出して、DF2人の間を強引にすり抜けて折り返し、長野風花が蹴り込んだ。
アジアカップの中国戦のゴールも、今回の韓国戦のアシストも、共通するのはパワフルな動きが存分に生きたこと。「自分のストロングはヘディングやゴールに向かうプレー」と胸を張るだけのことはある。
ただ、その韓国戦は序盤、相手のロングボール戦法に苦しんで孤立する場面が多かった。次の中国もタフなチームだし、1年後に迫ったワールドカップでもサイズの小さな日本に対してハイボールで押し込んでくるチームもあるだろう。韓国戦の反省と修正が、生かされなければならない。
「流れを作る部分では自分がもっと起点になって底上げしたり、もっとボールを受けなければいけないなというのは、試合をしていて感じたことです」
「どんなボールが来ても自分のところで収めることができれば、前に進むことができます。一番は自分のところで時間を作ってあげること」
そうすれば、優勝へのゴールも近づくだろう。
「自分のプレーで優勝するかどうかが変わる、ということに対しての重みも感じます。その意味でも楽しみたい」