上写真=祐村ひかるは元気いっぱいの笑顔で周りを明るくする(写真◎スクリーンショット)
「誰よりも走って前に前に」
半田悦子監督から事務所に来るように呼ばれたという。そして、おめでとう、と言われた。
「??? なにが?」
それが最初の感覚だったという。なでしこジャパンのキャンプに呼ばれたのだと伝えられると、「え! びっくり!」。
半田監督はなでしこジャパンの歴史を作ってきたレジェンドだ。日本の女子サッカー界の遺伝子は、こうしてつながれていく。
「うれしかったですね。みんながおめでとうと言ってくれて、選ばれた実感がじわじわ湧いてきました」
喜びは、キャンプに入ると自信に変わっていった。
「みんなと合流して、最初は緊張ばかりで何もできなかったですけど、コミュニケーションを取っていったり、レベルの高い選手と一緒にプレーできて、自分もここでやっていけるという実感があります。がんばっていきたい」
緊張した、と言いながらも、「サッカーをしているときは緊張することはないですね」と笑う天真爛漫さが魅力的。
「あまり日本代表を見ていたことはなくて、見始めたのは最近ですね。相手チームで戦っている選手がやっているのを見て、行け、行け! って、ファンみたいな感じで見ていました」
年代別代表の経験もない「無印」な立ち位置が、むしろ頼もしく感じる。でも、もちろんいまは「お客さん」ではない。
「運動量や仕掛ける姿勢などが求められていると思っているので、誰よりも走って前に前に行く姿勢を見せたい」
4月7日、東日本国際大昌平高男子チームとの練習試合で、その持ち味をぶつけた。だが、もっともっと、の欲が湧き出てきたのを感じている。
「自分ではあの30分で何かを残せた気持ちは全然なくて、自分はもっとやれるという気持ちになりました」
明るく元気で自信を胸に。新たな挑戦が未来を切り開く。