上写真=ミャンマー戦は植木理子(左)や宮澤ひなたのスピードが有効だ(写真◎GettyImages)
文◎西森 彰
仕掛けて崩すべし!
大会の3連覇と来年のFIFA女子ワールドカップ出場権がかかる『AFC女子アジアカップ インド2022』。池田太監督率いるなでしこジャパンは、グループCに入った。
21日の初戦で日本と顔を合わせるのは、FIFA女子ランキング47位のミャンマーだ。東京オリンピック予選では3次予選まで進んだが、今回も同居する韓国、ベトナムに連敗を喫して、本大会進出はならなかった。今大会の予選はレバノン、グアム、UAEを相手に、14得点無失点で勝ち抜いてきた。
ミャンマーで注目したいのは、今大会がな行われるインドのクラブに所属する、7番のウィン・ティンギ・トゥンだ。国際試合60戦に出場し、56ゴールという驚異的な得点率を残している。前述した五輪予選の韓国戦、ベトナム戦は、直前のケガで出場が叶わなかった。その意味でも、今大会に期するところは大きいはず。トップでの起用が多いが、トップ下やサイドハーフの位置でボールを引き出し、他のプレーヤーを使うこともできる。
攻撃に特徴のある8番のサン・トウ・トウは、若手のFWでサイドから攻撃。逆サイドのポジションは、11番のキン・モーワイと17番のミャッ・ノーキンが争う。中盤では、キャプテンで10番のキン・マーラー・トゥンと、9番のキン・モ・モ・トゥンの2人が、ウィン・ティンギ・トゥンら前線をサポート。アンカーに入る6番のティン・ティン・ユとバランスをとることも忘れない。
ディフェンスは、3番チット・チット、4番キン・ミョー・ウィンを2センターバックにした4バックで、2番エイ・エイ・モー、5番ピュー・ピュー・ウィンの両サイドバックは、相手が格下の時は前に出ていくが、日本戦ではさすがに守備に専念するだろう。ゴールキーパーの1番メイ・ジン・ヌウェを含めたディフェンスは、ほぼ、不動のメンバーだ。
池田新体制下のチームは、初勝利はもちろん、初得点もまだない。この初戦でクリアを期待したいのは、植木理子と宮澤ひなただ。ミャンマーの守備は、対戦相手の枚数に合わせて、マンマーク気味につかんでくるケースが多い。そこで、スピードに乗ったドリブルでマーカーをはがせば、チャンスを作り出すことはもちろん、戦意を低下させることができる。
A代表の試合にこれまで植木は6試合、宮澤は4試合出場しているが、どちらもまだノーゴール。若手アタッカーのファーストゴール争いで、チームに勢いをつけたい。